大宅壮一全集 第8巻 サンデー時評Ⅰ

書誌情報

昭和55年  11月22日発行(1980)
著作者 大宅壮一
発行者 近藤恆夫
印刷者 澤村嘉一
印刷所 凸版印刷
発行所 蒼洋社
発売所 英潮社
13.9cm×19.6cm(ハードカバー 函入〈14.4cm×20.6cm〉)、本文443頁

 
目次

写真:八幡山の自宅の庭で孫たちと(昭和43年冬)

写真:ノンフィクション・クラブの会合(昭和40年)(左から)杉森久英・三鬼陽之助・青地晨・藤島宇内・草柳大蔵・大熊秀夫・村上兵衛

写真:マスコミに於ける評論生活五十年で菊池寛賞受賞(東京プリンスホテル・昭和40年)右隣は亀井勝一郎

写真:青地晨・大森実・梶山季之・藤原弘達らと東南アジア歴訪(香港で昭和42年)左から草柳大蔵・大宅壮一・金子智一

写真:永六輔と談笑(大宅文庫で昭和40年)
写真:東南アジア訪問中,真剣な表情で甲板掃除(昭和42年)

写真:中国文化大革命中の大宅考察組(小谷正一・藤原弘達・三鬼陽之助・大森実・梶山季之・泰豊と昭和年41年)

写真:第一回サンデー時評掲載の表紙と第二回の本文。


サンデー時評Ⅰ
  享楽カロリー
    刺激とスリルが商品に
    “前代未聞”の主演俳優
    禁止主義より免疫主義

  粉飾政治・粉飾裁判?
    黒金念書は偽造と発表
    背後にあるものの意図

  漁船の集団遭難
    世界をまたに“労務貿易”
    日本漁業の行く道は二つ

  人間の“集中豪雨”
    流行
    吹き荒れる新種の台風

  新聞の魅力とは何か
    マンネリズムからの脱出
    日本新聞界“最大の異才”

  政治家の“集団発狂”
    現体制を支配するムード
    議会政治の悪化と退歩と

  我々はもっと驚こう
    政界に現存する“ヤミ市”
    総裁公選も“詐欺の場”に

  “がめつさ”について
    ミコヤンの見ごとな取り引き
    白眼視される日本の商社

  万国博はギャンブルだ
    正確な判断はむずかしい
    甘すぎない観光客動員

  国家予算の“ぶんどり戦争”
    口実たくみな“官々親善”
    “声涙ともに下る”名演技

  またも“転向”の季節を迎えた
    “人間改造”された溥儀氏
    一度屈すれば、何度でも

  社会党には荒療治が必要
    三分の一の壁は破れない
    左右両派のテスト離婚は

  鷹司平通氏の事故死
    貪欲なセンサクの対象に
    マス・コミに一種の節度

  私は危うく難をまぬがれた
    大衆の切望する三つの“力”
    “空の旅”がなぜこわい?

  “早大騒動”に思う
    なぜ高いバターを買うか
    学生運動の新しい展開!

  売春制度復活論について
    PTA的な考えへの反発
    憲法を改正しない限りは

  “教育不在”の日本の大学
    卒業証書という商品を売る
    文部省は認可を取り消せ

  空の事故の“集中豪雨”
    カメラマンと非常の場合
    “予想する恐怖”の大きさ

  一億総憂うつ
    利害とつながる“肩書”
    退化している“議会政治”

  売春防止法の強化
    成立すればどうなるか
    “知人宅”も許されない

  狂気でない異常の恐ろしさ
    三品冏良も藤山寛美も
    精神医学のあいまいさ

  郭沫若の自己批判
    自己改造は思想の切腹
    毛沢東引退の予備現象

  女子学生の入学制限
    問題になる入試方式
    彼女らの目標は結婚

  あるコマーシャル・ソング
    もう激しい事前運動
    効果的な“代議士音頭”
    最高の視聴率うけあい

  “自殺”と“自死”
    真っ赤な太陽に向かって
    はじめて得た人間的自由

  安倍能成氏の死
    変転した三代に生きて
    よみがえる明治に警戒

  都知事選と大政党の権威
    都知事に七人のサムライ
    自ら捨てた政党の誇り

  人生と“完全試合”した妖婦
    常識を超えた結びつき
    異常なまでに強い愛情

  電子計算機、視聴率、入学率
    戦後日本の“三大迷信”
    実の伴わぬ世界二位
    ノイローゼを作る調査
    投資の対象になる子供
    高校だけが採用しても

  クイズ文化
    埋めがたい感覚のズレ
    良心がマヒした日本人

  ライシャワー大使の辞任
    その混血児的な悲劇性
    身辺の進歩的エリート

  赤いジュウタンのギャング
    “狭き門”岩倉鉄道学校
    銅像が建てられたかも

  善意のワンマン
    すぐれたアイディアマン
    評判の魚のサーカス

  サラリーマンの六三割
    五年ごとに能力テスト
    社内浪人はやりきれぬ

  鈴木茂三郎氏の引退
    “生命”の長さでは異例
    革新系の政治評論家に

  壁新聞と怪文書
    政治的季節の変りめ
    後進国なみの環境衛生

  ガンサーとサルトル
    二つの文明の型を代表
    ホンモノの知識人とは

  告訴ブームについて
    はじめは“怪文書”の形を
    疑惑を深める取り下げ

  荒木元大将の死
    軍人以上の軍人だった
    “軍国”日本への郷愁再び

  亀井勝一郎の清純
    知性に輝いた“美少年”
    母系からの大きな影響

  政治家の秘書
    雇い主の責任なのだが
    立身出世の最短コース

  名乗りをあげよ保守第二党
    いまの政党は利権組織
    革新陣営にも連鎖反応

  選挙レースのフライング
    違反コンクール優勝族
    全員をオリに入れたら

  私のマスコミ生活
    編集者と作家との協業
    “文化人”の自由の限界

  戦後コースの明治的修正
    政治の本質的な危機が
    マイナス面がプラスに

  フシのある人間
    くずれた“若い衆”制度
    エネルギーの暴発防ぐ

  “一匹オオカミ”の一匹性
    個人的反発と独立意欲
    このさい脱党すること

  三位決定戦への興味
    潜在勢力の成長に期待
    “量”に動かされる権力

  毛沢東とスカルノ
    落ちめには弱い使命感
    日本人にも責任がある
    文化大革命も東洋心理

  大学、大学生および大学教授
    名産品なみの“アゲ底”
    “タレント教授”の悩み

  巌流島の東京都知事選
    タレント対教育企業家
    巨大な円の中の同心円

  文化大革命と四作家の声明
    動揺する進歩的文化人
    処世術が修正される時

  “第二夫人”論争
    いつも外国が“旦那”だ
    ややこしい本家・妾宅

  石垣綾子さんの再婚
    きわめて正常・完全な
    まことにほほえましく

  宝石という名の“麻薬”
    ねらわれる日本の市場
    “投資”か“虚栄の象徴”か

  企業化した政党・政治家
    「共和製糖事件は」語る
    掘りつくせぬ金鉱“財政”

  革新系都知事の誕生
    “社会主義商会”の嫡子
    ご婦人向き三原色の勝利

  対話時代
    つくられる新型ヒーロー
    マスコミの機能を再検討

  レジャー時代
    ミイラとりがミイラに
    健康なものといえない

  一生愚夫にまみえず
    フランス化した旗本娘
    才能に生きる女性たち

  「都民党」とはなにか
    官僚的ムードへの反発
    無内容、無政策、無責任

  レモン爆弾の幻想
    色とにおいのエリート感
    “一億総詐欺”の文化か

  女性の政治的能力
    美人だから損をする?
    退化してしまったのか

  八カ月ぶりの香港
    労働不安もこれ以上は
    不思議な“繁栄”の裏に

  中東戦争をマニラで聞く
    もし香港が火を噴けば
    マルコス大統領の印象

  「青年の船」の発案者として
    首相は十億支出を言明
    新三種の神器の第一位

  スパイについて
    戦争中ダバオでの体験
    多い外国の下請け作業

  “焼身他殺”事件に思う
    実質的には混血児同然
    結局親の職業の犠牲者

  中国通のメンタル・テスト
    思い出される西安事件
    理解できぬお祭り騒ぎ

  新型の“中間層国家”日本
    まさに人類史上の奇跡
    きわめて低い階層格差

  社会党解散論
    “階級対立”といっても
    たいへん重い分裂症状

  “潜在離婚”の社会党
    ボロ家にしがみついて
    手術してももう手遅れ

  福祉国家とはなにか
    “重税国”となった北欧
    社会党が伸びない理由

  現代への抵抗
    学生主体の“原理運動”
    “蒸発”するほかない

  電気人間にねらわれる
    “通り魔”が書いた手紙
    マスコミとのつながり

  国慶節と前進座
    長続きしない“カリスマ”
    “第二の西園寺公一”に?

  教育・宗教・政党の企業化
    大学の性格も変質した
    出版社としても一流に

  吉田が死んで戦後は終わった
    権力意欲の強い“貴族”
    亡霊からの脱出めざせ

  “国葬”に思う
    大半を占める長州薩摩
    明治はまだ生きている

  ロシア革命五十周年
    大正期日本の連鎖反応
    歴史はラセン形に進む

  由比老人の死の純粋度
    次元の高い正義感から
    常識を行動に移す勇気

  日本国の“家庭教師”
    “第一号”は中浜万次郎
    もう必要としないのか

  いつまで続く昭和元禄時代
    輸出されるトルコぶろ
    南へ南へ-観光ブーム

  生命とは?人間とは?
    “自然”と“神”への反逆
    はたして幸福になるか

  宇宙紀元元年
    憎しみからの解放は?
    地球の引力からの脱出

  “明治”との対決の年
    自主性欠く“教育外交”
    国家的姿勢を確立せよ

  北村サヨと笠信太郎の死
    夫に対する不満の爆発
    するどいマスコミ感覚

  日本は国際的な“駆込み寺”
    日露戦争の脱走者が
    瀬戸内海の一つの島を

  佐世保事件と社会を動かす“力”
    その潜在的エネルギー
    修正されない現実認識

  “虚栄の市”万国博
    インフレの最大の元凶
    思いきって延期せよ!

  裏口入学と大学企業
    経営面につながる不信
    それ自体が一つの利権

  “舌禍”と政治家の能力
    タブーにたいする底流
    佐藤内閣のケイレン?

  大学企業化の勧め
    欠如している大学行政
    三権分離するほかに

  金嬉老のミニ・クーデター
    “鬼態事件”との共通点
    若い文化人の“金平連”

  “売卜産業”時代
    フィクション的予言が
    マスコミとのつながり

〈解説〉誤差修正型(高原四郎)


月報2
  三高時代の大宅壮一(山口誓子)
  神田台所時代(八重樫昊)
  大宅壮一さんの顔(戸川エマ)
  大宅壮一さんと梶さん(立川談志)

全集 第7巻 現代の盲点

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