大宅壮一全集 第21巻 世界の裏街道を行くⅣ

書誌情報

昭和56年  1月25日発行(1981)
著作者 大宅壮一
発行者 近藤恆夫
印刷者 澤村嘉一
印刷所 凸版印刷
発行所 蒼洋社
発売所 英潮社
13.9cm×19.6cm(ハードカバー 函入〈14.4cm×20.6cm〉)、本文471頁

 
目次

写真:ソ連への旅立ち(羽田空港・昭和36年4月)
写真:トルストイ公園にて(昭和36年)
写真:モスクワでのメーデー風景(昭和36年・著者撮影)
写真:ゾーリン教授と「民族友好の木」(コーカサス・植物実験所・昭和36年)
写真:「ソ連の裏街道を行く」初版本 昭和37年(文藝春秋新社版)
写真:「この目で見たソ連」初版本 昭和37年(光文社版)


世界の裏街道を行くⅣ ソビエト編


 ソ連の裏街道を行く
  まえがき

  デコボコの文化・モスクワ
    モスクワ行きの航空路
    “ソ連的”な首実検
    似て非なる中国料理
    ショー化したメーデー
    “アカ”の起源は?
    赤の利用は天才的な着想
    儀式好きなロシア人
    ソ連の東大モスクワ大学
    まちがった日本観
    ランデブーの場所に困る
    ゴールキー村の“レーニン神宮”
    圧制の技術博物館
    エチケットのきびしい劇場

  ソ連人の実生活拝見
    アテにならない生活水準
    ロシア人は宮殿がお好き
    美女でもあり醜女でもあり…
    ホテルで飯を食うな
    教会と城砦と墓
    昇給はほとんどない
    “聖職”には最大の特権
    褐色のレニングラード
    日ソ交流今と昔

  文化の裏窓・レニングラード
    徹底した保育施設
    誇り高きピョートル
    はんらんするレーニン記念物
    ウンザリする博物館
    興味深い非スターリン化
    レーニン時代の老工員
    非能率者は黒ワク入り
    パブロフ研究所
    徹底した条件反射

  バルト海の「満州」・ラトビア
    実権はすべてロシア人に
    気になる対ソ感情
    一流ホテル以上の保養所
    参観用の病院か?
    課税のカラクリ
    不自然な現代劇

  強烈な民族意識・ウクライナ
    血は水よりも濃し
    パリ思わせる明るさ
    歌と踊りが大好き
    三十年おくれの養豚施設
    知勇兼備の女傑
    鐘のない寺院
    早くも「ガガーリン通り」
    オートメまったくなし
    ゆたかなソホーズ人種
    盲目的な愛国心
    ケタちがいの花好き
    金めあてでない芸能人たち

  若人の天国・新ウクライナ
    印象的なポチョムキン階段
    歩くのが楽しみ?
    目をみはる大劇場
    知りたい金の使途
    近代的保養地ヤルタ
    優雅なリバディア宮殿
    悲劇の半島クリミア
    気どりのないチェホフの家

  ボルガの街・スターリングラード
    かいま見たソ連の底辺
    独ソ激戦の傷あと
    軍事色あふれる鉄の町
    世界最大のダムと運河
    深刻な映画ききん
    三等国以下の道路
    きたないサーカスの便所

  健康の生産地・コーカサス
    別荘がズラリ
    新婚旅行とは何か
    世界一長い町
    海浜で見たビート族
    景色は日本そっくり
    公共心は日本人以下
    ジプシーの踊り
    ソ連の“新貴族”

  温泉と長生きの国・グルジア
    スターリンの地下印刷所
    百二十歳の老人
    異常な歓待精神
    果てしなき乾杯!
    ヒゲの女に性的魅力
    どう見ても“スターリン神宮”
    オールマイティは共産党員
    ヘタクソな素人芝居

  ソロバン高い共産主義・アルメニア
    ソ連の中の資本主義
    アララット山とセバン湖
    観光資源は古い教会
    珍本集めた古文書保存所
    目かくしされた石と泥の家
    官僚諷刺の寸劇
    石油の街バクー
    キューバ音楽に興奮
    ジャズ流行の矛盾
    ゾルゲの生まれた土地

  シルクロードの要所・タシケント
    ソ連の東玄関
    水も出ない一流ホテル
    ソ連社会の二重組織
    つぎつぎに豊かな料理
    ヤミ太りの農家
    デューマは酒で有名
    驚異のサバク緑化
    にじむ歴史の手アカ
    ビッコの英雄チムール
    キッスはご法度ならず
    裕福なひつじ飼い
    女の所長に男の技師

  ソ連邦をめぐって



 この目で見たソ連 世界旅行五か年計画の決算報告

  まえがき

  この目で見たソ連 プロローグ
    “結論”を用意した日本人旅行者
    “保守反動”の私が好遇される
    ソ連には“自由”がありすぎる
    カブトをぬいだ書記長
    ソ連人はどこへ行くか

 1 共産主義的人間像
    共産主義対民主主義
    宿命的なライバル
    同志ワシリーの風貌
    “計画”好きなソ連人
    広告のないソ連の新聞
    読むのはスポーツ欄だけ
    “動物的忠誠心”のかたまり
    “その他大勢”的共産党員
    浮気をするソ連人
    白パンとバターの時代
    雷鳥的人物が多い
    独裁力なき独裁制
    管理職には女が多い
    スターリンの功罪
    アメリカとソ連の類似性

 2 二億のライカ犬
    サーカスの魅力は生命の危機感
    赤と黒の考証
    パブロフ研究所
    ソ連の三“聖職”
    スポイルされる芸術家
    人間訓練のエサとムチ
    すべて“国がかり”
    人間不信の政治
    科学的拷問のベテラン
    徹底した“平和と友好”
    上意下達の方法
    スターリンの遺体は蝋人形か
    神々しいガラスの棺の中に
    衛星国の小型レーニン廟
    蝋細工向きのスターリン
    “スターリン神宮”はどうなるか
    世界一主義と住宅難のつながり
    子供じみているソ連人
    くりかえし、くりかえし、くりかえせ!
    “Mのついている火星人”

 3 “保守国家”ソ連の政治と芸術
    詩人の宇宙飛行士が出るだろう
    詩が民衆をリードする
    ソ連の英雄製造の現場
    マスコミ以前の民族詩人たち
    詩はコンデンス・ミルク
    スターリン少年は詩人だった
    詩人族が発熱するとき
    ソ連人は映画を二年に一回しか見ない
    ソ連映画は冠婚葬祭の料理だ
    文豪たちの博物館
    有為転変がはげしい現代作家
    ソ連ほど保守的空気の強い国はない
    詩は“密輸チョッキ”に似ている
    文学は観光資源か

 4 世界は楕円である
    百数十か国の旅行の収穫
    衛星国のイデオロギー的距離
    ソ連からはなれた国々
    衛星国の優等生・チェコ
    “軟派不良”のポーランド
    ドナウ川の堤は男女の“サカリ場”
    金で結ばれた“傍系国”
    ソ連と中共の距離
    中立国と中立主義国
    中立主義三人男
    ネールは国際的恐喝の総元締め
    カストロの勝利は世界史的大事件
    中南米のクーデター風土病
    アメリカとソ連の“メシア思想”
    持ち出し帝国主義
    二十世紀後半は後進国援助競争の時代

 5 戦争は起こらないという私の考え方
    日本人の“国際危機”の受けとり方
    全人類の破滅はゴメンだ
    ベルリンは“ヨーロッパの火薬庫”か
    危機感のないヨーロッパ
    アメリカは“熱戦”を望んでいるか
    ソ連民衆の“スターリン批判”
    フルシチョフは“普通の人間”だ
    “鉄のカーテン”から、“ナイロンのカーテン”へ

〈解説〉ソ連への偏見なき素描(田英夫)

月報6
  欠落の日月(金子智一)
  勅語珍問答(鈴木健二)
  私たちの不在の父(大島渚)
  オオヤケ賞について(木村治美)


全集 第20巻 世界の裏街道を行くⅢ

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