谷川俊太郎

谷川俊太郎(20241122日)

 1113日に谷川俊太郎さんが亡くなりました。19311215日生まれの谷川さんは1952年に詩集『二十億光年の孤独』でデビューしてから晩年まで、詩はもちろん絵本、翻訳、歌詞、台本などのジャンルで数え切れない作品を生みました。誰もが作品に親しんでいる唯一無二の国民的詩人と言えると思います。

 ことばを覚える前の赤ちゃんは谷川さんの絵本で日本語の音の楽しさやゆたかさを感じ、少し大きくなると絵本を扉にこの世界の無限の広がりを知ります。そして小学校や中学校でも教科書で谷川さんの詩に再会します。誰もが、谷川さんの詩がひとつは心に刻まれているのではないでしょうか。

 今回は、谷川俊太郎さんの索引から、発言記事を中心に20件紹介します。記事の中から、いくつかの文章をここで紹介します。

最古の発言記事『新潮』19556月号

「昨年の10月にぼくは結婚してしまつた。(略)ぼくの顔はだんだん人間に似てきたようだ。つい先頃まではぼくも青年というれつきとした獣だつたのだが。」「生活とは倦怠のことではないのだろうか。それは成人たちの間の暗黙の秘密なのかもしれない。ぼくはこういうことを口に出すべきではないのかもしれぬ」

Pen20237月号

「いまの時代にフィットしているか、あるいはちょっとでも先取りしているかということは、創作をする上でいつも考えます。時代のこともあるけど、ぼくにとっては、いまというものをどう捉えるかっていうのが大テーマなんですよ。ただ、いまはみんな時代に負けているような気がするのね。(略)いまは未来が閉じかけているような気がする。だから時代に負けないでいなきゃって強く思いますね」「現在という時間は過去にも未来にも通じているけれど、その流れは時計の針が示すような単一なものじゃない。“永遠の中のいま”っていうのはすごく重層的なもので、それをずっと詩に書いてきました」

 最新の発言記事『女性自身』2024423日号

「僕は、これからあと何年生きるか分かんないですけど今まで経験したことのない何かが感じられるといいなというのは思います。(略)やっぱり、前からの経験じゃなくて、何か新しい、90歳を超えたからこそ感じるものがあるだろうと思うのね。それをなんらかの形で言葉にしたり表現したいとは思うんだけど、これも結構難しいんですよ」

 同時代の「いま」を生きて言葉を紡いでくれた谷川さんの遺してくれたものが、いかに大きいかと感じています。

※今回紹介した索引の雑誌記事コピーをご希望の場合は、遠隔地の方でも資料配送サービスで取り寄せることが出来ます。どうぞご利用下さい。

1.目録
記事種類
タイトル
青年という獣
発言者
谷川俊太郎
雑誌名
新潮
発行日
1955年06月
ページ
133先頭頁のみ表記の場合あり
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]‖
2.
記事種類
座談
タイトル
茶の間の話題 旬間トピックス 亭主族は訴える(20代から50代までの宿六座談会) ※JOKR・婦人の窓「妻に望む」より
発言者
奥野信太郎/中村武志/岡部冬彦/谷川俊太郎
雑誌名
旬刊ラジオ東京
発行日
1956年04月11日
ページ
20-21
備 考
‖岡部冬彦[漫画家]家族‖奥野信太郎[中国文学]家族‖谷川俊太郎[詩人]家族‖中村武志[作家,目白三平]家族‖夫,主人,亭主
3.目録
記事種類
対談
タイトル
われらの詩人の行動法
発言者
谷川俊太郎/大江健三郎
雑誌名
毎日グラフ
発行日
1963年05月19日
ページ
51先頭頁のみ表記の場合あり
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]‖
4.
記事種類
対談
タイトル
ふたりで話そう 106回 若者は覚悟して大人の敵になれ
発言者
サトウハチロー/谷川俊太郎
雑誌名
週刊朝日
発行日
1968年01月19日
ページ
36-40
備 考
‖サトウハチロー[詩人]略歴‖谷川俊太郎[詩人]略歴‖
5.
記事種類
対談
タイトル
小説は芸術でないか
発言者
田村隆一/谷川俊太郎
雑誌名
発行日
1983年01月
ページ
234-255
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]‖田村隆一[詩人]‖
6.
記事種類
対談
タイトル
最後の曲芸詩人 寺山修司 誰も語らなかった寺山修司
発言者
谷川俊太郎/九条今日子
雑誌名
鳩よ!
発行日
1990年06月
ページ
38-42
備 考
‖九条今日子、九條今日子[演劇プロデューサー,九條映子から改名]家族‖谷川俊太郎[詩人]‖寺山修司[歌人,詩人,劇作家]離婚、人脈、訃報‖
7.
記事種類
対談/書評
タイトル
恋する時に読む本 『女に』
発言者
谷川俊太郎/佐野洋子
雑誌名
MORE
発行日
1991年07月
ページ
140-141
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]‖
8.
記事種類
対談
タイトル
阿川佐和子のこの人に会いたい 337回 僕に初めて恋人ができた時、ショックで母は家出しました
発言者
谷川俊太郎/阿川佐和子
雑誌名
週刊文春
発行日
2000年04月13日
ページ
58-62
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]恋愛、家族‖
9.
記事種類
対談
タイトル
ロゴスとことば 谷川俊太郎・ねじめ正一 「言葉」ってなんだろう? ※育った家庭環境と言葉、公的な言葉と私的な言葉、国語の教科書について、他
発言者
谷川俊太郎/ねじめ正一
雑誌名
MOKU
発行日
2002年09月
ページ
28-43
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]‖ねじめ正一[詩人]‖
10.
記事種類
対談
タイトル
特別来日対談 ジョン・バーニンガムvs谷川俊太郎 人生の喜びをうたう絵本
発言者
ジョン・バーニンガム/谷川俊太郎
雑誌名
MOE
発行日
2005年02月
ページ
43-49
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]‖ジョン・バーニンガム[絵本作家]‖
11.
記事種類
インタビュー
タイトル
谷川俊太郎 詩は、メッセージではない。人間の意識を解放するものです。おいしい食べ物のように味わってほしいんです。
発言者
谷川俊太郎/大泉実成
雑誌名
PLAYBOY
発行日
2008年09月
ページ
63-69
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]‖
12.
記事種類
対談
タイトル
佐野洋子 特別対談 谷川俊太郎 広瀬弦 人間好き、批評家。佐野洋子の魅力
発言者
谷川俊太郎/広瀬弦
雑誌名
文藝別冊
発行日
2011年04月
ページ
90-103
備 考
‖佐野洋子[童話作家,絵本作家]家族‖谷川俊太郎[詩人]家族‖広瀬弦[絵本作家,イラストレーター]家族‖
13.
記事種類
インタビュー
タイトル
絵本作家インタビュー ことばのしごと 谷川俊太郎 年齢は階段を上っていくようなものではなく、木の年輪のようなものだと思っています。
発言者
谷川俊太郎
雑誌名
AERAウィズ・ベビー
発行日
2013年06月
ページ
115-119
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]略歴‖
14.
記事種類
インタビュー
タイトル
戦後70年 私の戦中戦後、私の原点 もうすぐ詩を書き始めて70年になる ひとりっ子でマザコン。学校嫌いの虚弱児童が『二十億光年の孤独』を書くまで。東京大空襲の焼け跡の記憶から語る
発言者
谷川俊太郎
雑誌名
新潮45
発行日
2015年02月
ページ
96-103
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]略歴‖
15.
記事種類
インタビュー
タイトル
特集 谷川俊太郎 ロングインタビュー 洗いざらしのTシャツみたいに ※北軽井沢の夏の1日、詩の力、詩よりも大切な女性たちとの関係、いろいろな仕事をすること
発言者
谷川俊太郎/尾崎真理子
雑誌名
考える人
発行日
2016年08月
ページ
12-31
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]結婚、恋愛、家族‖
16.
記事種類
対談
タイトル
お茶の時間 ひとつのことをゆっくり話そう 64回 絵本・1 谷川俊太郎さん×末盛千枝子さん
発言者
谷川俊太郎/末盛千枝子
雑誌名
クロワッサン
発行日
2017年06月10日
ページ
62-65
備 考
‖末盛千枝子[絵本編集者]略歴‖谷川俊太郎[詩人]略歴‖
17.
記事種類
対談
タイトル
女とは 谷川俊太郎×園子温 「自分にとって女性というのは欠くことのできない存在だと思っていました」(谷川) 「恋をしていればカメラレンズからその感情が伝わって画面が華やぐ…」(園)
発言者
谷川俊太郎/園子温
雑誌名
熱風
発行日
2019年12月
ページ
3-29
備 考
‖園子温[映画監督]略歴‖谷川俊太郎[詩人]略歴‖
18.
記事種類
インタビュー
タイトル
谷川俊太郎の絵本 『わたし』から『ぼく』まで 谷川俊太郎ロングインタビュー 5人の作家とつくった5冊の絵本 ※長新太、和田誠、瀬川康男、堀内誠一、元永定正
発言者
谷川俊太郎/刈谷政則
雑誌名
MOE
発行日
2022年07月
ページ
14-25
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]‖
19.
記事種類
インタビュー
タイトル
みんなの谷川俊太郎 ことばを体験する展覧会、谷川俊太郎の絵本の世界 宇宙の手触りを求めて、ことばを紡続ける 谷川邸で見つけた、輝きを放つ愛しきものたち ※『谷川俊太郎 絵本★百貨展』、インタビュー、他
発言者
谷川俊太郎/林綾野
雑誌名
Pen
発行日
2023年07月
ページ
26-43
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]‖
20.
記事種類
インタビュー/グラビア
タイトル
谷川俊太郎さん 92歳の新たな挑戦 「うつくしいものを見ると生きる力がわいてくる」 ※谷川俊太郎×宮内ヨシオ アート名言集『生きているってどういうこと?』展覧会
発言者
谷川俊太郎
雑誌名
女性自身
発行日
2024年04月23日
ページ
146-147
備 考
‖谷川俊太郎[詩人]‖

このページの先頭へ▲

公益財団法人 大宅壮一文庫

〒156-0056 東京都世田谷区八幡山3丁目10番20号
TEL:03-3303-2000