貴重な雑誌の宝庫 大宅壮一文庫
私と大宅壮一氏とは大変な因縁があります。それは1967年2月のこと、大宅壮一氏とのインタビュー対談です。当時、私はバッシングの真っ只中にあり、メディアの威力は大きく、私を抹殺せんばかりの書きようでした。インドネシア情勢は混とんとしていました。そして スカルノ大統領の日本亡命説が流れ、私は注目の的となっていました。そこに文芸春秋(月刊)のアレンジで、大宅壮一氏と私の対談が行われました。
対談はケンカ腰。大宅氏はツバを飛ばして激昂していました。私は妊娠中で、お腹の子が飛び出してしまうのではないかと、家人が心配する程でした。しかし大宅氏は、対談を終えて帰りの車の中で、「彼女のことを誤解していたようだ、頭が良くていい女だ」と。おかげさまで、この対談が出版されて以降、私に対する世の中の既成観念は一変致しました。
IT時代の世の中、紙媒体が減退していく昨今、雑誌社だけではなく大宅壮一文庫にもその影響は拡がっています。利用者の減少、年間契約の法人会員の減少、国立国会図書館との競合も、経営状況を悪化させている原因となっているといわれています。
大宅壮一文庫は、莫大な資料の宝庫です! 私は、このような施設を、もっと大事にしていかなくてはいけないのでないかと思います。
雑誌は時に時代の証人となります。その当時の原文、写真の頁の現物がそのまま見られるということは、大変重要かつ貴重でもあります。そこには、日本で初めて発行された江戸時代の雑誌「西洋雑誌」、明治時代の「會館雑誌」などもあります。
ゴシップ記事など、エリート達が読まないところに、その時代の世情の真実、事実があるものだと思っています。非公立の図書館として、公立の図書館に勝つというのは難しいことですが、大宅壮一文庫を後世に残していくために、何とかしなければなりません。
小さなご支援でも、集まれば大きな力になります。皆さま、是非ご一緒に支援して下さいますよう伏してお願い申し上げます。
「パトロネージュ」参加支援のお願い
日頃から大宅壮一文庫の活動について、ご理解、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
大宅壮一文庫は、時代の半歩先を読む大宅壮一が、読み終ったら網棚の上に捨てられてしまうような雑誌にこそ有用な情報が詰まっている、との想いから、明治以降の古いもの、毎週届くイマの雑誌を収集し、しかも独自の検索方法を考案し、すぐ使えるようにした、国内唯一の雑誌専門図書館です。
父の遺言は、なるべく沢山の方々に活用してもらいたい、ということでしたので、母は奔走して財団法人化し、文字通り日本のメディアに無くてはならぬ存在に成長させました。
しかし、インターネットの普及などにより、活用が急減し、いまや存続の危機に立たされています。
父母の残した遺産、使った方々からは日本の宝だ、といっていただける、雑誌群。そこには明治以降紡いできたマスコミ人の想いと情熱が詰まっています。これらを文化財として次世代に引き継ぐのが私の使命と心得ます。
使命達成のためには、各分野の方々の物心両面のご支援がなければ、到底かなうものではありません。そこで私共は、「大宅文庫パトロネージュ」を立ち上げることと致しました。
パトロネージュとは、英語、フランス語で「支援」「後援」「激励」する意味の言葉です。代表には、デヴィ・スカルノ夫人に、就任していただきました。
つきましては、このパトロネージュの趣旨をご理解いただき、個人支援者、支援企業・団体の皆様のお力添えいただきたいのです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
パトロネージュ呼びかけ人
代表 デヴィ・スカルノ |
有馬 学 |
(九州大学名誉教授、福岡市博物館総館長) |
石川 巧 |
(立教大学教授) |
猪木 武徳 |
(大阪大学名誉教授) |
猪瀬 直樹 |
(作家、元東京都知事) |
大下 英治 |
(作家、大宅壮一マスコミ塾7期生) |
奥田 史郎 |
(大宅式索引分類創始者) |
川淵 三郎 |
(日本トップリーグ連携機構会長) |
相馬 計二 |
(司法書士、大宅壮一マスコミ塾5期生) |
滝鼻 卓雄 |
(元読売新聞東京本社社長) |
田原総一朗 |
(ジャーナリスト) |
堀 紘一 |
(経営コンサルタント) |
大宅壮一文庫評議員・理事・監事
理事長 大宅 映子 |
阿川佐和子 |
(エッセイスト、作家) |
飯窪 成幸 |
(文藝春秋専務取締役) |
伊藤 雅俊 |
(味の素株式会社特別顧問) |
角川 歴彦 |
(KADOKAWA会長) |
三枝 和 |
(フリーライター) |
阪本 博志 |
(帝京大学文学部教授) |
武田 徹 |
(ジャーナリスト、専修大学教授) |
鳥山 輝 |
(元中央公論新社会長) |
野間 省伸 |
(講談社社長) |
森 健 |
(ジャーナリスト、専修大学非常勤講師) |
矢嶋 功作 |
(矢嶋功作税理士事務所代表) |
山根 一眞 |
(ノンフィクション作家、福井県年縞博物館特別館長) |
吉永みち子 |
(ノンフィクション作家) |
お問い合わせ先
パトロネージュ係
TEL 03-3306-4661