平野啓一郎(2021年6月18日)
小説家・平野啓一郎さんの最新作『本心』が話題を呼んでいます。今回は平野啓一郎さんの雑誌記事索引を紹介します。
平野さんは「語る言葉」に魅力のある人です。平野さんをWeb OYA-bunko人名検索で検索しますと、647件ヒットします。その内、執筆者・発言者を「平野啓一郎」に絞ると467件もありますので7割以上自身が執筆しているか、インタビュー・対談・座談をしている記事になります。
『週刊文春』2018年11月15日号「阿川佐和子のこの人に会いたい」で阿川さんも対談の後の感想で、平野さんは「とても思考の深い人」であるが、「そのお考えと行動にいたる経緯のなんとわかりやすくも魅力的なこと。」と語っています。思考の経緯を丁寧に説明してくれることが多いため、インタビューや対談の依頼が多くなるのかもしれません。
平野さんは公式サイトで自身の小説を4期に分類しています。第1期は芥川賞を受賞した『日蝕』を含む「ロマン主義三部作」、第2期は『顔のない裸体たち』『あなたが、いなかった、あなた』などの「短編・実験期」、第3期は『決壊』『ドーン』などの「前期分人主義」、そして第4期は『マチネの終わり』『ある男』『本心』が含まれる「後期分人主義」です。第4期の中でも『本心』はこの時期の集大成的な作品になるだろうと語っています。当館の索引にもインタビューや対談が一定の時期を置いてコンスタントにあり、その時々の思いを丁寧に解説しているため、記事を読むと第1期~第4期の各時期にどんな社会問題が起こり、平野さんがどんなことを考えていたのかを知ることができます。
今回刊行された『本心』は2040年の孤独な青年が「リアル・アバター」というVR上で依頼者の意思どおりに動く仕事をしながら、亡くなった母親の「ヴァーチャル・フィギュア」というAIによる仮想の母親を作る物語です。近未来を描いた小説ですが『週刊読書人』2021年6月11日号のインタビューでは「小説を書いている途中で現実が追いついてくることはよくあります。」と語っています。作品を読んだ平野さんの母親は「今度の小説はよく分らんね」と言っていましたが、その後NHKの美空ひばりをAIで蘇らせるプロジェクトを見て「ヴァーチャル・フィギュア」について少し理解ができたようです。また他の読者はコロナ禍で家から出られなくなり、「Uber Eats」が注目されるようになって初めて「リアル・アバター」という仕事も想像できるようになったそうです。
平野さんは博識で文学や言語の知識はもちろん音楽や芸術の造詣も深く、小説には難しい表現も多く使われています。ですが平野さんの語る解説や考えを聞いていると、こちらもそれを理解できるように努力をしよう、広く見識を深めようと思うようになる、そんな魅力を持った人です。
※今回紹介した索引の雑誌記事コピーをご希望の場合は、遠隔地の方でも資料配送サービスで取り寄せることが出来ます。 どうぞご利用下さい。
No1
記事種類 書評/インタビュー
タイトル 現代ライブラリー 書いたのは私です 平野啓一郎『本心』文藝春秋 亡母がヴァーチャルで甦った時、再会した子は何を望むのか。人間関係の極限にある「他者性」と真の繋がりとは
執筆者 平野啓一郎
雑誌名
週刊現代
発行日
2021年06月05日
ページ 118-119
備 考 ‖平野啓一郎[作家]‖
No2
記事種類
タイトル エッセイ・作家の節目 奇妙な一年 ※コロナ騒動で忘れがたい2020年
執筆者 平野啓一郎
雑誌名
文学界
発行日
2021年02月
ページ 18-19
備 考 ‖平野啓一郎[作家]‖
No3
記事種類 書評
タイトル 没後50年 21世紀のための三島由紀夫入門 15作品ナビゲート 平野啓一郎と三島文学の森を歩く ※『仮面の告白』『禁色』『海と夕焼』『金閣寺』『鏡子の家』『裸体と衣裳』他
執筆者 平野啓一郎
雑誌名
芸術新潮
発行日
2020年12月
ページ 36-76
備 考 ‖平野啓一郎[作家]‖三島由紀夫[作家]‖
No4
記事種類 対談
タイトル 「日本すごい」ブームの転換点 大澤真幸×平野啓一郎 三島由紀夫没後50年にコロナ後の日本を想う
執筆者 大沢真幸/平野啓一郎
雑誌名
中央公論
発行日
2020年12月
ページ 164-175
備 考 ‖大沢真幸、大澤真幸[社会学,東京大学]略歴‖平野啓一郎[作家]略歴‖三島由紀夫[作家]‖
No5
記事種類 書評/インタビュー
タイトル 人生を豊かにする「本の世界」 「スロー・リーディング」で密度の高い読書体験を 一流が実践する知性を磨く「本の読み方」 ※平野啓一郎『本の読み方 スロー・リーディングの実践』
執筆者 平野啓一郎
雑誌名
THE21
発行日
2020年11月
ページ 54-57
備 考 ‖平野啓一郎[作家]略歴‖
No6
記事種類 対談
タイトル JAZZ×文学 対談 奥泉光×平野啓一郎 小説家はマイルスに学べ? JAZZが体現する思想に表現者としてどのような影響を受けたのか?2人の小説家による世代を超えた融通無碍な音楽談義
執筆者 奥泉光/平野啓一郎
雑誌名
文学界
発行日
2020年11月
ページ 70-87
備 考 ‖奥泉光[作家]趣味‖平野啓一郎[作家]趣味‖
No7
記事種類 インタビュー
タイトル 愛用品と、ともに 人生を語るもの 平野啓一郎 ともにしてきた時間を物語る、味わい深い逸品 ※フェンダーのストラトキャスター、シャネルのエゴイスト・プラチナム、他
執筆者 平野啓一郎
雑誌名
Pen
発行日
2020年08月01日
ページ 24-27
備 考 ‖平野啓一郎[作家]趣味、美容‖
No8
記事種類 対談
タイトル 平野啓一郎×ロバート・キャンベル ドナルド・キーンとは何者であったのか 氏の一周忌にあたり、親交のあったふたりの文学者が、その業績の研究への期待や、垣間見た素顔について語り合う
執筆者 平野啓一郎/ロバート・キャンベル
雑誌名
文学界
発行日
2020年07月
ページ 268-277
備 考 ‖ロバート・キャンベル[日本文学,東京大学大学院]人脈‖ドナルド・キーン[日本文学,日本文化史,コロンビア大学]人脈‖平野啓一郎[作家]人脈‖
No9
記事種類 対談
タイトル お茶の時間 ひとつのことをゆっくり話そう 133回 コロナ後の日本・1 パトリック・ハーランさん×平野啓一郎さん
執筆者 パトリック・ハーラン/平野啓一郎
雑誌名
クロワッサン
発行日
2020年05月25日
ページ 96-99
備 考 ‖パトリック・ハーラン[パックンマックン]‖平野啓一郎[作家]‖
No10
記事種類 インタビュー
タイトル 角田陽一郎のMoving Movies ~その映画が人生を動かす~ 55回 平野啓一郎(前編) 『ロッキー』や『トップガン』の影響で洋楽少年になった
執筆者 平野啓一郎/角田陽一郎
雑誌名
週刊プレイボーイ
発行日
2020年05月25日
ページ 83
備 考 ‖平野啓一郎[作家]趣味、略歴‖
No11
記事種類 対談
タイトル 『マチネの終わりに』 まさか自分の作品で泣くとは ※北九州は不良の土地、必死だったクラシックギター、踏み込めなかった2人、才能を評価される苦悩、次の作品はぜひ長崎を、他
執筆者 平野啓一郎/福山雅治
雑誌名
文藝春秋
発行日
2019年12月
ページ 328-335
備 考 ‖平野啓一郎[作家]‖福山雅治[ミュージシャン]‖
No12
記事種類 インタビュー
タイトル 内なる色気を身につけよう!色気の法則 私の色気論 平野啓一郎 もっと混じり合いたいと、こちらを前のめりにさせる何か
執筆者 平野啓一郎
雑誌名
an・an
発行日
2019年04月03日
ページ 34
備 考 ‖平野啓一郎[作家]略歴‖
No13
記事種類 書評/インタビュー
タイトル 今月のBOOKMARK EX 平野啓一郎『ある男』文藝春秋 他人に優しくなれることが、巡り巡って自分自身に対する優しさの回復に繋がっている
執筆者 平野啓一郎
雑誌名
ダ・ヴィンチ
発行日
2018年12月
ページ 46-47
備 考 ‖平野啓一郎[作家]略歴‖
No14
記事種類 対談
タイトル 阿川佐和子のこの人に会いたい 1234回 作家 平野啓一郎 インターネットの登場で、これまでの小説技法だと、捉えきれない現実に直面してる感じが。
執筆者 平野啓一郎/阿川佐和子
雑誌名
週刊文春
発行日
2018年11月15日
ページ 130-134
備 考 ‖平野啓一郎[作家]略歴‖
No15
記事種類 書評/インタビュー
タイトル 「自身書店」の週刊書評 ガチ推しの棚 平野啓一郎『マチネの終わりに』毎日新聞出版 暗いニュースばかりでうんざりしていて。美しい世界に浸りたくてテーマに愛を選びました
執筆者 平野啓一郎
雑誌名
女性自身
発行日
2016年06月21日
ページ 118-119
備 考 ‖平野啓一郎[作家]略歴‖
No16
記事種類 インタビュー
タイトル 芸術新潮特別企画 平野啓一郎と観るブリヂストン美術館のこれまでとこれから ※略年譜・石橋正二郎とブリヂストン美術館のあゆみあり
執筆者 平野啓一郎/貝塚健
雑誌名
芸術新潮
発行日
2015年04月
ページ 114-121
備 考 ‖平野啓一郎[作家]‖美術館,ブリヂストン美術館,アーティゾン美術館
No17
記事種類 インタビュー
タイトル 平成夫婦善哉 29回 平野啓一郎・春香夫妻 同郷で同い年でAB型、共通点の多い2人
執筆者 平野啓一郎/春香
雑誌名
週刊朝日
発行日
2014年08月08日
ページ 134-137
備 考 ‖春香[モデル]家族‖平野啓一郎[作家]家族‖夫婦,スター,タレント,連載
No18
記事種類 対談
タイトル 伊坂幸太郎大特集 平野啓一郎×伊坂幸太郎 ※父子に関わる小説を近年発表し、実際に父でもある点にも着目。各自が推薦する「父親小説」を挙げてもらっての対談
執筆者 平野啓一郎/伊坂幸太郎
雑誌名
ダ・ヴィンチ
発行日
2014年04月
ページ 26-29
備 考 ‖伊坂幸太郎[作家]‖平野啓一郎[作家]略歴‖
No19
記事種類 対談
タイトル 血盟団とは何者だったのか 革命・三島由紀夫・近代化 彼らを凶行に駆り立てたのは何だったのか…。2つの知性がテロリズムの本質に迫る
執筆者 平野啓一郎/中島岳志
雑誌名
文学界
発行日
2013年11月
ページ 252-269
備 考 ‖中島岳志[日本政治思想史,東京工業大学リベラルアーツ研究教育院]略歴‖平野啓一郎[作家]略歴‖血盟団事件,団琢磨暗殺事件
No20
記事種類 インタビュー
タイトル 活字メディアが消える日 書籍の電子化は作家という職業をどう変えるか 電子書籍化を回避することはできない。ネット対既存の出版体系のような対立は本当に不毛です
執筆者 平野啓一郎
雑誌名
中央公論
発行日
2010年06月
ページ 152-159
備 考 ‖平野啓一郎[作家]略歴‖書物,出版,電子出版,電子書籍
No21
記事種類 インタビュー
タイトル 『ドーン』と分人主義 平野啓一郎 近代文学、社会、メディア…作家生活10年の歩みと新たな挑戦に迫る
執筆者 平野啓一郎/武田将明
雑誌名
群像
発行日
2009年09月
ページ 154-170
備 考 ‖平野啓一郎[作家]‖
No22
記事種類 書評/インタビュー
タイトル 物語を探しに 新刊小説Review&Interview 77回 平野啓一郎『決壊』 無限に遠い他者と無限に多用な他者。彼らとどのように合意形成を取ることが
執筆者 平野啓一郎/榎本正樹
雑誌名
小説現代
発行日
2008年08月
ページ 579-582
備 考 ‖平野啓一郎[作家]‖
No23
記事種類 対談/書評
タイトル 対話 21世紀の「人間」を書く 高橋源一郎×平野啓一郎 ※平野啓一郎『決壊』について、Web2.0以降のドストエフスキー
執筆者 高橋源一郎/平野啓一郎
雑誌名
新潮
発行日
2008年08月
ページ 156-169
備 考 ‖高橋源一郎[作家]‖平野啓一郎[作家]‖
No24
記事種類 書評/インタビュー
タイトル BOOK STREET この著者に会いたい 平野啓一郎『本の読み方 スロー・リーディングの実践』PHP新書 まったく異物としての他者の言葉が進入してきて…
執筆者 平野啓一郎/尾崎真理子
雑誌名
Voice
発行日
2006年12月
ページ 174-179
備 考 ‖平野啓一郎[作家]‖
No25
記事種類 書評/インタビュー
タイトル 話題のエンタ BOOK 著者に直撃! 平野啓一郎 新刊『顔のない裸体たち』が話題! 平野啓一郎さん
執筆者 平野啓一郎
雑誌名
週刊女性
発行日
2006年05月02日
ページ 124-125
備 考 ‖平野啓一郎[作家]略歴‖
No26
記事種類 対談/グラビア
タイトル TOKYO MIDNIGHT CRAWLING 深夜0時の東京ガイド 平野啓一郎×金原ひとみ 作家は夜、作られる。 ※六本木「ラ・ポーズ」、他
執筆者 平野啓一郎/金原ひとみ
雑誌名
Title
発行日
2004年09月
ページ 88-91
備 考 ‖金原ひとみ[作家]‖平野啓一郎[作家]‖
No27
記事種類 書評/インタビュー
タイトル 書想倶楽部 平野啓一郎『一月物語』新潮社 『日蝕』とは文体も変えて明治を舞台にした第2弾 「口語体を構築していった森鴎外の影響は大きく受けました」
執筆者 平野啓一郎
雑誌名
SAPIO
発行日
1999年07月14日
ページ 47-48
備 考 ‖平野啓一郎[作家]‖
No28
記事種類
タイトル 香りはシャネルのエゴイスト! 鮮烈デビュー 23歳芥川賞作家・平野啓一郎さん 茶髪にピアス、全身を黒でキメるオシャレな京大生の素顔
執筆者
雑誌名
女性自身
発行日
1999年02月09日
ページ 58-59
備 考 ‖平野啓一郎[作家]‖
No29
記事種類 グラビア
タイトル 平成の麒麟 平野啓一郎 三島由紀夫の再来
執筆者 前田速夫
雑誌名
Voice
発行日
1999年01月
ページ 27-32
備 考 ‖平野啓一郎[作家]略歴‖
No30
記事種類 書評
タイトル 仮性文藝時評 11回 旧字旧仮名で谷崎の悪魔性に迫る若合春侑の「腦病院へまゐります。」狂言綺語を鏤めて三島に挑む弱冠23歳、平野啓一郎の「日蝕」。
執筆者 中条省平
雑誌名
論座
発行日
1998年09月
ページ 253-257
備 考 ‖平野啓一郎[作家]‖若合春侑[作家]‖