『現代用語の基礎知識』自由国民社(2021年9月17日)
先日、当館で所蔵している約7000誌の創刊号の整理をしていた時に、『現代用語の基礎知識』の創刊号でおそらく初版のものも所蔵していることが分かりました。今回はそれを発見した経緯もかねて『現代用語の基礎知識』に関連する雑誌記事索引を紹介します。
『現代用語の基礎知識』の創刊は1948年です。しかし、それは雑誌『自由国民』1948年10月号特別号(通巻14号)として出版したものでした。そのため大宅壮一文庫では長い間『自由国民』の書庫へ配架されていて、それが『現代用語の基礎知識』の創刊号と認識されていませんでした。当時の出版社は時局月報社で判型はB6判192ページと小さく、表紙や奥付に「創刊号」という記述はなし。実は2003年版に創刊号の完全復刻版が別冊付録となっていましたので、それと見比べてはじめて創刊号であることを確信しました。
創刊号は用語のジャンルに「政治用語」や「文藝用語」「スポーツ用語」など15ジャンルあり、その最後は「進駐軍関係略語」という項目になっています。そこだけ見ても当時の社会を反映しています。
その後、判型は1960年版からA5判、1972年版からはB5判、2005年版からはA5判、2013年版からはA5判とB5判の両方、2019年版はA5版となっています。『宝島』2013年2月号によれば最も売れたのは1988年版の65万部だそうです。1986年には『imidas』集英社、1989年には『知恵蔵』朝日新聞社が創刊され3誌を比べる雑誌記事もいくつかあります。
近年はインターネットの普及により苦しい状況がつづき、『imidas』は2007年に、『知恵蔵』は2008年にネットへ移行しました。そして『現代用語の基礎知識』は2020年版に大幅なリニューアルをおこないました。B5判296ページとスリム化し用語辞典部分は縮小して1年間を振り返る読み物のような性質になっています。
ところで当館、大宅壮一文庫の精神を説明する際によく用いるのは、『中央公論』1955年4月号 大宅壮一のインタビューです。記事で大宅壮一は「つまり僕らはだね、大正十三年というと、大正十三年にはどんなことがあってどんな人気者がいたか、というようなライブラリーをつくることなんだな。民衆の図書館をね」という記述があります。時代を振り返り、それを基に現在を考慮する精神は『現代用語の基礎知識』も似ているのではないでしょうか。実際過去の「ある年」を振り返る場合に『現代用語の基礎知識』は絶大な力を発揮します。また政治・経済といった硬いものから、流行語といった柔らかいものまでそろっているところや、インターネットの普及で苦しい状況という部分も当館と似ています。たいへん僭越ですが今後も出版が続くことを願っています。
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No1
記事種類
タイトル 永江朗の出版業界事情 スリム化して一新した『現代用語』 ※2020年版から大リニューアルをおこなった『現代用語の基礎知識』
執筆者 永江朗
雑誌名
週刊エコノミスト
発行日
2019年12月10日
ページ 54
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」
No2
記事種類
タイトル 昭和遺産探訪 53回 現代用語の基礎知識 創刊65周年、成熟と再生の1600頁
執筆者 藤木TDC
雑誌名
宝島
発行日
2013年02月
ページ 172-173
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」
No3
記事種類 対談
タイトル ニッポン越境問答 7回 清水均(「現代用語の基礎知識」編集長) ※13年ぶりに「右翼」「左翼」という言葉が復活した理由,掲載連載回数は6回
執筆者 清水均/鈴木邦男
雑誌名
紙の爆弾
発行日
2011年04月
ページ 55-59
備 考 ‖鈴木邦男[一水会]連載‖事典,「現代用語の基礎知識」
No4
記事種類
タイトル 編集はリサーチで差がつく 勝てる!情報収集のコツ 整理する まず読者ありき 老舗事典の情報分類術 清水均さん 自由国民社 ※『現代用語の基礎知識』
執筆者
雑誌名
編集会議
発行日
2008年09月
ページ 68-69
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」
No5
記事種類
タイトル 情報のKeyperson 17回 清水均氏 『現代用語の基礎知識』編集長 情報収集の基本は新聞各紙の切り抜き 物言わぬ人々の隠れた本音を見抜け!
執筆者 清水均
雑誌名
ZAITEN
発行日
2008年02月
ページ 95
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」
No6
記事種類
タイトル 『現代用語』の60年 ※『現代用語の基礎知識』創刊60周年
執筆者 清水均
雑誌名
文藝春秋
発行日
2008年02月
ページ 88-90
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」
No7
記事種類
タイトル カルチャー・ジィピィエス エビ売れ、彦摩呂!?『現代用語の基礎知識』の掲載基準
執筆者 遠藤麻衣
雑誌名
サイゾー
発行日
2007年01月
ページ 43
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」
No8
記事種類
タイトル レポート ネット時代には無用の長物? IT時代に立ち向かう現代用語事典の命運 ※『現代用語の基礎知識』『imidas』『知恵蔵』
執筆者 丸山昇
雑誌名
月刊BOSS
発行日
2006年11月
ページ 43-45
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」
No9
記事種類
タイトル 編集者・ライター人脈の作り方 ジャンル別編集長に聞く人脈形成術 自由国民社『現代用語の基礎知識』編集部編集長 長沖竜二氏 執筆者人脈を縦横にめぐらす
執筆者 長沖竜二
雑誌名
編集会議
発行日
2006年06月
ページ 30-31
備 考 事典,出版社,「現代用語の基礎知識」
No10
記事種類
タイトル 塩澤実信の「ベストセラーの風景」 雑誌の速さと書籍の重さの事典 ※『現代用語の基礎知識』『イミダス』『知恵蔵』
執筆者 塩沢実信
雑誌名
月刊BOSS
発行日
2006年01月
ページ 122-123
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」
No11
記事種類
タイトル 潮ライブラリー メディア最前線 「情報事典」を比べる ※『現代用語の基礎知識』(自由国民社) 『imidas』(集英社) 『知恵蔵』(朝日新聞社)
執筆者 鈴木カオル
雑誌名
潮
発行日
1999年03月
ページ 292-293
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」
No12
記事種類 書評
タイトル BOOKS 旬の本 本の履歴書 『現代用語の基礎知識』自由国民社 時代の空気を伝えてきた51年 編集者、執筆者200人の総力戦
執筆者 清水均
雑誌名
ダカーポ
発行日
1998年10月21日
ページ 128-129
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」
No13
記事種類 グラビア
タイトル 戦後を見つめて50歳 ※50年分の現代用語の基礎知識と4代目編集長の清水均氏
執筆者
雑誌名
週刊読売
発行日
1998年01月25日
ページ 139
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」
No14
記事種類 書評
タイトル BOOK REVIEW 今週のおすすめ ※『現代用語の基礎知識』『imidas』『知恵蔵』の各98年度版を読み比べて
執筆者 室伏哲郎
雑誌名
週刊読売
発行日
1997年12月14日
ページ 77
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」
No15
記事種類
タイトル NEO&CLASSIC情報局 [調べる] ぶ厚いページをめくれば変動する「今」が見えてくる 現代用語事典 ※現代用語の基礎知識
執筆者
雑誌名
毎日グラフ
発行日
1993年03月14日
ページ 39
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」,現代用語事典
No16
記事種類
タイトル 1枚の写真から 戦後の日本人に希望を与えた、“言葉のサーチライト”。『現代用語の基礎知識』
執筆者
雑誌名
アビタン
発行日
1991年05月
ページ 32
備 考 事典,「現代用語の基礎知識」,現代用語事典
No17
記事種類
タイトル 名勝負物語⑤情報百科イミダスVS現代用語の基礎知識の対決
執筆者 西大路歩
雑誌名
第三文明
発行日
1988年03月
ページ 120-121
備 考 ‖26-003-007[出版一般]辞書、事典‖
No18
記事種類
タイトル 我が役立ち情報源 七つのデータベースを駆使しても補足できない“今”は、「現代用語の基礎知識」でつかむ〔略歴〕
執筆者
雑誌名
ダイヤモンド・ボックス
発行日
1987年01月
ページ 43
備 考 ‖角間隆[アメリカ問題研究家]‖
No19
記事種類
タイトル ざ・ふぇいす 一年間にぼくの上を20万語の現代語が通り抜ける 「現代用語の基礎知識」編集長 亀井肇
執筆者 西山正
雑誌名
サンデー毎日
発行日
1982年02月14日
ページ 42-45
備 考 ‖亀井肇[「現代用語の基礎知識」編集長]‖
No20
記事種類
タイトル みんなが使ってる辞典と事典のベストはこれだ あらゆる分野の最新用語を広く集めた、現代用語の基礎知識
執筆者 惣郷正明
雑誌名
特選街
発行日
1979年05月
ページ 273-275
備 考 ‖26-003-007[出版一般]辞書、事典‖