食糧危機

食料危機(2022617日作成)


 終戦のきざしが未だに見えないロシアとウクライナの戦争ですが、穀物輸出の世界シェア
2割を持つ農業大国ウクライナが戦場となっているため、世界は深刻な食糧危機に見舞われています。
 ウクライナには、現在も戦争前に収穫していた穀物2000万トンがサイロに貯蔵されていますが、黒海の港をロシア海軍が封鎖しているために、主要な輸出先である中近東やアフリカへ輸送することが不可能となっています。
 国連世界食糧計画(WFP)のデイヴィッド・ビーズリー事務局長は「黒海の港が封鎖されているために、世界中の何百万人もの人々が死ぬことになる」と発言し、問題解決のためにオデーサ港を含む黒海の港の即時再開を求めています。
 とくにアフリカ東部では、過去40年で最悪の干ばつの影響で、深刻な食糧危機に陥っており、ウクライナからの食料輸出が無ければ、この地域で2000万人近くが飢餓状態に陥ると国連は警告しています。
 この問題は作物の輸送だけにとどまりません。戦争開始後の混乱でウクライナの冬作物の2割が収穫出来ず、春作物の作付け面積も3割減少しました。
 今年の秋以降に輸出可能な穀物は大幅に減少し、このままでは第二次世界大戦以来の世界規模の食糧危機が起きることが危惧されています。
 穀物以外にも世界最大のヒマワリ油生産国であるウクライナの生産が減少しているため、全ての食用油の価格が高騰しており、日本が東南アジアから輸入しているパーム油の値段も1年前に比べ価格が約70%上昇しました。
 さらに大きな問題となるのは、ロシアが「化学肥料の三元素」である窒素、リン酸、カリウムの主要生産国であることです。
 ロシアの化学肥料の合計輸出量は世界の15%、ロシアと提携し、国際制裁を受けているベラルーシが6%を占めており、両国の肥料が世界市場から排除されると世界中の農業生産が致命的な打撃を受けます。
 日本の場合は化学肥料の原料をほぼ全量輸入しており、特にカリウムはロシアとベラルーシからの輸入が25%を占めます。肥料価格が高騰すれば国産農産物も価格に転嫁せざるを得ません。
 日本はカロリーベースの食料自給率37%で主要先進国の中でも最低水準です、有事に国民が困窮しないためにも、食料安全保障についての真剣な対策が求められます。

 今回は件名キーワード「食糧危機」から最新
10件を紹介します。

 

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No1     

記事種類

タイトル  世界鳥瞰 食糧危機のカギ握る黒海の海運 ロシアによる黒海の海上封鎖でウクライナの穀物が輸出できず、世界の食糧危機を招いている。護送船団方式が検討されるが、早期の実施は望み薄だ

 

執筆者 

雑誌名  日経ビジネス

発行日  20220606

ページ  70-71

備 考  飢餓,食糧危機,ウクライナ,小ロシア,ロシアのウクライナ侵攻(2022),貿易

 

No2     

記事種類

タイトル  食糧大国・ロシアが牙をむく日 プーチン「敵対国への食糧輸出を監視する」 パンが5割高になった国もある、ロシアを支持する国が増える?、化学肥料の原料はほぼ全量を輸入している日本

 

執筆者  柴田明夫

雑誌名  サンデー毎日

発行日  20220522

ページ  112-115

備 考  飢餓,食糧危機,貿易,ロシア・経済

 

No3     

記事種類

タイトル  ロシア暴挙で世界食糧危機も! 今、買うべき食品&日常品 世界の穀物庫ウクライナ侵攻による小麦不足は前段階! 値上げ加速!国民に2年分の食糧備蓄を呼びかける国も!

 

執筆者 

雑誌名  週刊大衆

発行日  20220502

ページ  196-199

備 考  飢餓,食糧危機,物価,値上げ

 

No4     

記事種類

タイトル  池上彰のそこからですか!? 522回 ウクライナ危機が世界食料危機に

 

執筆者  池上彰

雑誌名  週刊文春

発行日  20220428

ページ  50-51

備 考  飢餓,食糧危機,ウクライナ,小ロシア,ロシアのウクライナ侵攻(2022)

 

No5     

記事種類

タイトル  ウクライナ侵攻 世界戦時経済 ロシア制裁のインパクト 穀物 供給不安で小麦が過去最高値 途上国に食糧危機の可能性 世界有数の食料生産国であるロシアとウクライナからの供給途絶の影響

 

執筆者  阮蔚

雑誌名  週刊エコノミスト

発行日  20220329

ページ  24-25

備 考  飢餓,食糧危機,貿易,ウクライナ,小ロシア,ロシア・経済,農業

 

No6     

記事種類

タイトル  とことん学ぶインフレ 食料高騰 中国「爆買い」と供給不安 世界の農産物価格が過去最高水準にある 背景にはオミクロン株急拡大による労働者の移動や物流の目詰まり、旺盛な世界需要がある

 

執筆者  柴田明夫

雑誌名  週刊エコノミスト

発行日  20220208

ページ  30

備 考  飢餓,食糧危機

 

No7     

記事種類

タイトル  トンガ噴火で食料危機の真相 コメ不足、南半球大凶作、漁獲量にも大異変 気温1低下で状況は一変 火山爆発指数6のピナトゥボ噴火など世界に被害をもたらした過去の火山噴火一覧付き

 

執筆者  鎌田浩毅/柴田明夫/下野裕之/他

雑誌名  SPA!

発行日  20220208

ページ  20-21

備 考  飢餓,食糧危機,トンガ,フレンドリー諸島,太平洋,トンガ海底火山噴火(2022)

 

No8     

記事種類

タイトル  日本人が知らない破壊的イノベーター50 サラ・メンカー(グロ・インテリジェンス創業者・CEO) 650兆種類のデータで世界食料危機と戦う

 

執筆者  ネッド・ポッター

雑誌名  ニューズウィーク日本版

発行日  20220208

ページ  24-25

備 考  飢餓,食糧危機

 

No9     

記事種類

タイトル  来年は世界各地が「政情不安」に 食料インフレは「史上最悪」の様相 世界的な食料価格の上昇 「アラブの春」の年レベル 政変を含む激動も

 

執筆者 

雑誌名  選択

発行日  202112

ページ  62-63

備 考  飢餓,食糧危機

 

No10   

記事種類

タイトル  泰平の「飽食時代」の終焉 理念なき日本の「食料戦略」 大失敗した国連食料サミット 際立つ日本の傍観ぶり

 

執筆者 

雑誌名  選択

発行日  202112

ページ  102-103

備 考  食糧問題,飢餓,食糧危機


 

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