吉田博(2020年12月18日)
年明けの2021年1月26日から東京都美術館で「美が摺り重なる 没後70年 吉田博展」が開催されます。今回は木版画の巨匠・吉田博さんの雑誌記事索引を紹介します。
吉田博さんの絵の特徴は伝統的な浮世絵の高度な技術を踏襲しながら、油絵と同質の水準をもつ新しい洋画技法を木版画に取り入れたところです。今回の展覧会のために作られたチラシの裏には、『瀬戸内海集 帆船 朝』や『上野公園』『冨士拾景 朝日』などが紹介されていますが、いずれも確かに和と洋が混じった近代的な絵画となっています。
東京近郊ではすでに都立図書館や駅にポスターが張られ、吉田博さんの『劔山の朝』を見ることができます。雑誌『ノジュール』2017年8月号ではその『劔山の朝』の余白を含めた全体と略絵の細部を丸で囲んだものを掲載し、絵の解説をしています。余白に「自刷」のサインが入っていることや、それを入れた意味などを読むことができます。
雑誌記事から経歴を読んでみますと、木版画を始めるのは晩年で、若いころに描いた水彩画や油絵も多数あるそうです。1907年に文部省美術展(文展)が始まると第1回目から3年連続で受賞した華々しい経歴もあります。 また、雑誌『週刊ポスト』2016年5月27日号では従軍画家になった経歴も記載されていて、『急降下爆撃』という油絵を紹介しています。題名のとおり急降下する飛行機を後ろから見た絵で、地上に見える畑や川を上から見たような驚くアングルになっています。
しかし、吉田博さんの絵画はなんといっても美しい木版画です。今回の展覧会は「木版画の全容を紹介」とありますので、どのような風景画が展示されるのか今から楽しみです。
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No1
記事種類
タイトル 今月の名作 32回 吉田博『劔山の朝』 刷り重ねて極めた、写実と空気感
執筆者 江川均
雑誌名
ノジュール
発行日
2017年08月
ページ 2-3
備 考 ‖吉田博[画家]‖
No2
記事種類 グラビア
タイトル 美術批評 眼は行動する 189回 高い所が大好きな吉田博が戦時中に描いた「凄いアングル」 ※「生誕140年 吉田博展」千葉市美術館
執筆者 坪内祐三
雑誌名
週刊ポスト
発行日
2016年05月27日
ページ 190
備 考 ‖吉田博[画家]‖
No3
記事種類
タイトル 世界が憧れる日本の木版画 最近話題の川瀬巴水と吉田博 2人の版画家に迫る
執筆者 安永幸一
雑誌名
清流
発行日
2014年11月
ページ 62-63
備 考 ‖川瀬巴水[版画家]‖吉田博[画家]‖
No4
記事種類
タイトル 福富太郎のアート・キャバレー2号店 7回 絵を買う最初 ※渡米して大成功した吉田博《笹川流れ》《山村(兄弟)》《朝霧》、三宅克己《海の見える寺(東禅寺)》
執筆者 福富太郎
雑誌名
芸術新潮
発行日
1997年12月
ページ 134-138
備 考 ‖福富太郎[キャバレーハリウッド]趣味、連載‖吉田博[画家]‖
No5
記事種類
タイトル 版画で結んだ「日米の絆」 「傍流」吉田博が歩んだ道
執筆者
雑誌名
選択
発行日
1997年05月
ページ 118-119
備 考 ‖吉田博[画家]‖
No6
記事種類
タイトル サライ美術館 木版画で描いた山の呼び声 河口湖美術館ほか「吉田博」展より
執筆者
雑誌名
サライ
発行日
1997年04月03日
ページ 88-93
備 考 ‖吉田博[画家]‖
No7
記事種類
タイトル 今月の表紙 4回 吉田博[金魚すくい] ※吉田博の経歴、「金魚すくい」は『東京十二景』の中の1作
執筆者
雑誌名
花も嵐も
発行日
1988年07月
ページ 73
備 考 ‖吉田博[画家]略歴‖
No8
記事種類 グラビア
タイトル 花も嵐も歴史館 木版画 日本の風景 吉田博 ※伝統的な浮世絵の高度な木版画技術を踏襲し、油絵と同質の水準をもつ新しい洋画技法を取り入れた吉田博の色彩木版画
執筆者
雑誌名
花も嵐も
発行日
1988年05月
ページ 3/6-10
備 考 ‖吉田博[画家]略歴‖