宮城谷昌光

宮城谷昌光 (2023317)

 宮城谷昌光さんの小説『三国志名臣列伝 蜀篇』が2023225日に出版されました。三国志の登場人物を一人一人取り上げてオムニバスにした小説『三国志外伝』や『三国志名臣列伝』のシリーズも4冊目となり、満を持して「劉備玄徳」とその仲間の物語となります。

 中国や日本の歴史小説を膨大な資料と筆力で書き記してきた宮城谷さんとはどんな人物なのか、そして『三国志』とどう向き合ってきたのか興味がわきます。今回は宮城谷さんの雑誌記事索引を紹介します。

※今回紹介した索引の雑誌記事コピーをご希望の場合は、遠隔地の方でも資料配送サービスで取り寄せることが出来ます。 どうぞご利用下さい。

 宮城谷さんの経歴と人柄がよく出ている記事がありました。

No1     

記事種類 インタビュー

タイトル  特集 宮城谷昌光の「物語」 宮城谷昌光ロング・インタヴュー 1回 長い沈黙の果てに、古代中国と出会った

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  本の話

発行日  199604

ページ  7-27

備 考  宮城谷昌光[作家]

 『本の話』19964月号では宮城谷さんの経歴がまとめられています。1967年に早稲田大学の英文科を卒業してすぐに処女作『春の潮』、つづいて『天の華園』を書きました。その間、小説家の立原正秋さんに師事しますが、その後は長い間執筆はせず、就職して雑誌編集者になり、197227歳のときに編集者もやめて郷里に戻ります。それから長い沈黙のあと1991年に『王家の風日』を出版。

 記事ではこの約20年の間に自分の文学とどう向き合ったかが語られています。

 

No2     

記事種類 対談

タイトル  宮城谷昌光 人を書く、国を見る 宮城谷昌光×宮部みゆき 「言葉」の生まれる場所

 

執筆者  宮城谷昌光/宮部みゆき

雑誌名  本の話

発行日  200212

ページ  6-19

備 考  宮城谷昌光[作家]宮部みゆき[作家]

 『本の話』200212月号は宮部みゆきさんとの対談記事になっていますが、おもしろいことに宮城谷夫人もその場にいたため、少し夫人の言葉も対談に加わる形になっています。

 記事によると、小説を書くために勤めていた出版社を辞めたが生活が苦しく、学習塾をやったこと。『天の華園』執筆の後1991年に『夏姫春秋』で直木賞を受賞したが、その後もしばらくは収入が足りず、『重耳』を執筆していたころは特に苦しかった、といった思い出などを語っています。

 

 宮城谷さんは『湖底の城』『風は山河より』『香乱記』など大長編の小説を多数執筆していますが、宮城谷さんといえば『三国志』を思い出す人は多いと思います。

No3     

記事種類 インタビュー

タイトル  ビッグ・トーク 宮城谷昌光、「三国志」の沃野に挑む

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  オール読物

発行日  200106

ページ  130-137

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No4     

記事種類

タイトル  完結記念ロングインタビュー 「三国志」歴史に何を学ぶのか 構想10年、連載12年。畢生の大作が堂々の完結。多彩な組織論。人生論の生きる豊饒な正史の世界を語る

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  文藝春秋

発行日  201307

ページ  152-165

備 考  宮城谷昌光[作家]文学,中国・文化,三国志

 『文藝春秋』で20015月に連載がはじまり、そこから12年、連載145回、全12巻で完結する宮城谷さんの『三国志』ですが、『オール読物』20016月号では「『三国志』の沃野に挑む」というタイトルでこれから連載をスタートするにあたっての心境や執筆のために準備した資料のことなどを語っています。

 そして『文藝春秋』20137月号は連載最終回が掲載された号で、それに合わせて「完結記念ロングインタビュー」が掲載されています。 

 記事によると宮城谷さんの『三国志』は陳寿が書いた『三国志』(正史)を基に書かれているそうです。『三国志』は吉川英治さんや柴田錬三郎さん、横山光輝さんをはじめ何度となく小説やマンガとなりましたが、それらは羅貫中の『三国志演義』が基となっています。
 『三国志演義』は史実とは異なる着色が施されていて、物語がおもしろくなるように作られていますが、正史では史実に忠実なため有名な「桃園の誓い」「趙雲が劉備の息子を救う場面」、また「何千という軍勢を二人で止めた」といった描写はでてきません。ですが記事ではなぜ正史を基に物語を展開したかも語っています。

 また、正史を基にするとなると主軸となる登場人物を劉備ではなく曹操にすることになるそうです。宮城谷さんの『三国志』は曹操の祖父・曹騰の時代からはじまり、最後は次の「晋」の時代に皇帝となる司馬懿の孫・司馬炎の登場までを物語にしています。曹操の祖父の時代というのは後漢中期であり、連載1回目を見た編集部の担当者は「これが三国志なのか?」と相当の衝撃を受けたそうです。

 

No5     

記事種類 インタビュー

タイトル  『三国志』の世界 「三国志演義」に拠らずに書いた私の『三国志』、あらゆるものを捨てることで成りたった劉備の生き方、これから始める『三国志外伝』について

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  オール読物

発行日  201207

ページ  104-109

備 考  宮城谷昌光[作家]

 『オール読物』20127月号では『外伝』『名臣列伝』について触れています。『三国志』は本流からはそれている場面でも登場する名臣のエピソードにおもしろいものが多くあり、単行本第6巻目から付録の小冊子で外伝を書きはじめました。さらに本腰を入れるため『オール読物』で『三国志外伝』の連載を始めたそうです。

 そして『三国志』本文の方はなるべく史実に近い状態で執筆したが、これからはじめる『外伝』は自分の想像や推測をもう少し加えたいと語っています。

 

 そんなシリーズも満を持して『蜀篇』の出版となり、いよいよ『三国志』の主役・劉備、そして関羽、張飛、諸葛亮、趙雲などの物語となりました。『文藝春秋』20137月号では「非常にくっきりとした人物像を持つ曹操とは対照的に、『三国志』を書く前にはよく分からない人物だったのが劉備です。」と語っています。
 劉備という人は人徳のある人と言われていますが負け戦になると部下も家族も顧みず、一目散に逃げてしまいます。また、敗走の後に何人もの将に助けを求め、その後彼らを節操なく裏切ることを繰り返します。それでも劉備は人望を集め強力な武将を束ねた英雄です。
 『蜀篇』では、そんな劉備を理解できた臣と、使えてはいたがついに分からないままだった臣が描かれています。多くのファンを魅了した物語の主役のはずですが、劉備玄徳の思考はやはり普通の将ではなく、『三国志名臣列伝 蜀篇』は改めて物語の神髄を理解する一助となるかもしれません。

 

 宮城谷昌光さんの記事、その他です。

No6     

記事種類 書評

タイトル  歴史書の棚 小説家ならではの推理で読み解く「三国志」入門書 宮城谷昌光『三国志入門』文春新書

 

執筆者  加藤徹

雑誌名  週刊エコノミスト

発行日  20210518

ページ  56

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No7     

記事種類 書評/対談

タイトル  宮城谷昌光×宮崎美子 歴史小説の悦楽 「孔子と孔丘」 作家と知性派女優が語る歴史小説の味わい方 孔子の生涯を描いた『孔丘』を刊行

 

執筆者  宮城谷昌光/宮崎美子

雑誌名  文藝春秋

発行日  202011

ページ  314-321

備 考  宮城谷昌光[作家]宮崎美子、宮崎淑子[女優,宮崎淑子から改名]

 

No8     

記事種類 インタビュー

タイトル  特別インタビュー 宮城谷昌光 最後の直木賞選考を終えて 自らの矜持と先達の教え、改めて振り返る直木賞秘話。そして最新長編『孔丘』へこめた願いとは

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  オール読物

発行日  202004

ページ  460-463

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No9     

記事種類 書評/インタビュー

タイトル  ブックトーク 後漢後期の名将たちの命運 宮城谷昌光『三国志名臣列伝 後漢篇』文藝春秋

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  オール読物

発行日  201804

ページ  93

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No10   

記事種類

タイトル  新春特別随想 「孔丘」執筆について

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  オール読物

発行日  201802

ページ  68-70

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No11   

記事種類 対談

タイトル  『呉漢』刊行記念対談 宮城谷昌光×丹羽宇一郎 ビジネス界も学んでほしいこの皇帝にしてこの臣下あり 宮城谷昌光『呉漢』中央公論新社

 

執筆者  宮城谷昌光/丹羽宇一郎

雑誌名  中央公論

発行日  201802

ページ  168-175

備 考  丹羽宇一郎[伊藤忠商事]略歴宮城谷昌光[作家]略歴

 

No12   

記事種類 書評

タイトル  現代ライブラリー 日本一の書評 宮城谷昌光『呉漢(上・下)』中央公論新社 「忠誠」と「謙虚」で前漢滅亡後の中国を成りあがった男の一代記

 

執筆者  小梛治宣

雑誌名  週刊現代

発行日  20171223

ページ  107

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No13   

記事種類 対談

タイトル  人生100年時代を豊かに生きる 特別対談 宮城谷昌光×南場智子 『劉邦』からヒトの見抜き方を読み解く

 

執筆者  宮城谷昌光/南場智子

雑誌名  サンデー毎日

発行日  20150531

ページ  110-115

備 考  南場智子[DeNA]宮城谷昌光[作家]

 

No14   

記事種類 書評

タイトル  現代ライブラリー 宮城谷昌光『三国志読本』文藝春秋 「時代のなかで人は動く」中国歴史小説の第一人者が、創作の原動力と哲学を語る

 

執筆者  山本博文

雑誌名  週刊現代

発行日  20140614

ページ  130

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No15   

記事種類 書評/インタビュー

タイトル  本の話 著者インタビュー 宮城谷昌光『三国志外伝』 「歴史上の人物」にはない視点が、物語に豊かな客観性をもたらす

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  文藝春秋

発行日  201406

ページ  448-449

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No16   

記事種類 インタビュー

タイトル  宮城谷昌光[ロング・インタビュー]「項羽と劉邦、激動の時代」 時代により動かされた劉邦、乱世の時代の人材活用、司馬遷の文学性によるフィクション、歴史小説によってこそ見えるものなど

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  オール読物

発行日  201008

ページ  104-112

備 考  項羽[武将]宮城谷昌光[作家]劉邦[漢朝の初代皇帝]

 

No17   

記事種類 対談

タイトル  「特別対談」信長とは、何者だったのか 意識していた春秋時代の故事、日本人がまだ宗教人・仏教徒でありえた室町時代の人だったなど

 

執筆者  宮城谷昌光/吉川晃司

雑誌名  オール読物

発行日  200812

ページ  176-186

備 考  織田信長[戦国大名]吉川晃司[俳優,歌手]宮城谷昌光[作家]

 

No18   

記事種類 書評/対談

タイトル  宮城谷昌光『新 三河物語』完結記念対談 名将の条件

 

執筆者  江夏豊/宮城谷昌光

雑誌名 

発行日  200811

ページ  32-37

備 考  江夏豊[野球]宮城谷昌光[作家]

 

No19   

記事種類

タイトル  文春図書館 特別企画 何しろ、歴史好きなもので 宮城谷昌光が語る「史実としての三国志」 演義にない深い世界をみつけてほしい

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  週刊文春

発行日  20080110

ページ  162

備 考  宮城谷昌光[作家]文学,中国・文化,三国志

 

No20   

記事種類

タイトル  特別講義 曹操と劉備 三国志の世界 正史からみえてくる広大な世界、英雄達の素顔

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  文藝春秋

発行日  200411

ページ  314-325

備 考  宮城谷昌光[作家]文学,中国・文化,三国志

 

No21   

記事種類

タイトル  宮城谷昌光 人を書く、国を見る 驚嘆すべき卒直さ宮城谷昌光さんへのロング・インタビューから 『宮城谷昌光全集』季報

 

執筆者  湯川豊

雑誌名  本の話

発行日  200212

ページ  20-21

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No22   

記事種類

タイトル  酒中日記 授賞式の日(第35回吉川英治文学賞受賞)

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  小説現代

発行日  200106

ページ  44-45

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No23   

記事種類 対談

タイトル  小林秀雄・100年のヒント 人間の真形 中也を通して小林を知る,思考の運動を描く,自然に対する考え方,孔子とベルグソン,信ずる強さが尋常でない人,他

 

執筆者  秋山駿/宮城谷昌光

雑誌名  新潮臨増

発行日  20010401

ページ  202-204/213-224

備 考  秋山駿[文芸評論家]小林秀雄[文芸評論家]宮城谷昌光[作家]

 

No24   

記事種類 書評/インタビュー

タイトル  中国春秋時代のヒーローに学ぶリーダー論 話題の『沙中の回廊』著者インタビュー 士会を描いた作品

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  週刊朝日

発行日  20010202

ページ  130-131

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No25   

記事種類 書評

タイトル  現代ライブラリー 宮城谷昌光『史記の風景』新潮社 中国古代史ものの第一人者が試みる『史記』全巻の通読で生まれた好随筆

 

執筆者  縄田一男

雑誌名  週刊現代

発行日  19970531

ページ  145

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No26   

記事種類

タイトル  SPECIAL INTERVIEW 第2の司馬遼の不遇時代の秘密とは? 「サラリーマンにも『中国の知恵』を学んでほしい」

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  週刊現代

発行日  19960406

ページ  60-61

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No27   

記事種類

タイトル  ありがとう、司馬遼太郎 惜別!「歴史小説の偉才」司馬先生 憧れであり、目標だった戦後日本を代表する巨きな語り部

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  プレジデント

発行日  199604

ページ  380-381

備 考  宮城谷昌光[作家]

 

No28   

記事種類 インタビュー

タイトル  東京人インタビュー 80回 宮城谷昌光 中国古典は知恵のかたまり。

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  東京人

発行日  199602

ページ  10-14

備 考  宮城谷昌光[作家]略歴

 

No29   

記事種類 書評/インタビュー

タイトル  著者インタビュー 宮城谷昌光『晏子』新潮社 人間の愛憎劇のみならず、国家論・組織論としても読み解ける

 

執筆者  宮城谷昌光

雑誌名  文藝春秋

発行日  199503

ページ  458-459

備 考  宮城谷昌光[作家]略歴

 

No30   

記事種類 対談

タイトル  「迂回の美学」に「悪のヒーロー」、ケタ外れの中国人物列伝 『三国志』と『重耳』に学ぶ処世の極意

 

執筆者  宮城谷昌光/井波律子

雑誌名  現代

発行日  199310

ページ  188-195

備 考  井波律子[中国文学]宮城谷昌光[作家]文学,中国・文化,三国志

 


 

このページの先頭へ▲

公益財団法人 大宅壮一文庫

〒156-0056 東京都世田谷区八幡山3丁目10番20号
TEL:03-3303-2000