ナオミ・クライン

ナオミ・クライン(2023630日)

 6月のNHK100de名著』で取り上げた書籍は2007年(日本版:2011年)に出版された『ショック・ドクトリン』でした。今回はその書評と著者でカナダ生まれのジャーナリストであるナオミ・クラインさんに関連する雑誌記事索引を紹介します。

※今回紹介した索引の雑誌記事コピーをご希望の場合は、遠隔地の方でも資料配送サービスで取り寄せることが出来ます。 どうぞご利用下さい。

 『ショック・ドクトリン』の書評です。

No1     

記事種類 書評

タイトル  覇権国家アメリカの凋落~〈9・11〉10年の現実~ 「自由」の劇薬がもたらす破壊と荒廃 ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』に寄せて

 

執筆者  西谷修

雑誌名  世界

発行日  201110

ページ  112-125

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]米同時多発テロ・報復戦争(2001),アメリカ同時多発テロ事件(2001)

『ショック・ドクトリン』の日本語版には副題があり「惨事便乗型資本主義の正体を暴く」となっています。地震や津波などの自然災害、クーデターやテロや戦争などの惨事に人々は大きなショックを受けます。政治家や市場主義者はそのショック状態を好機ととらえ、これに便乗して復興の名のもとに普段はできなかった過激な経済政策を進めてしまいます。ナオミ・クラインさんはこれらの政策を精神科医が執り行うショック療法のように捉え、その事例をいくつも上げて解説しています。

 

No2     

記事種類 書評

タイトル  Book Review ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン(上・下) 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』岩波書店 市場主義者の謀略に満ちたカラクリを看破

 

執筆者  中尾茂夫

雑誌名  週刊エコノミスト

発行日  20111122

ページ  58-59

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]略歴

 過激な政策に用いられたのは経済学者:ミルトン・フリードマンが提唱する「新自由主義」です。
 2005年ニューオリンズがハリケーン・カトリーナに襲われた時には、復興した後でも多くの低所得者が住みづらい街になってしまいました。以前から低所得者の住む地域の公営住宅は整備や補修が必要とされていましたし、インフラや教育の面で公共サービスが不可欠でしたが、ハリケーンによって壊滅的な被害を受けます。
 市場主義者たちは市民がショックを受けているそのすきを狙ってきます。大きな利益が出ることを理由として建物が倒壊してまっさらになった土地に、公営住宅を建て直すのではなく新たな高級住宅を建設し、その地域の公共サービスを端から民営化しました。社会保障を必要とする低所得者は大きなダメージを受けました。

 また2001年に起きた9.11の同時多発テロの後には街中に監視カメラが多数設置されました。普段は監視されることを好まない市民も、「街にテロを計画する犯罪者が多数いる」「監視カメラが必要だ」と言われると、そうかもしれないと思ってしまいました。その時設置されたカメラは3000万台。「テロとの戦い」をスローガンに国民の支払った税金は民間企業に湯水のように流れていきました。

 『エコノミスト』20111122日号で中尾茂夫さんはこの本を「政治と経済にまたがる至上主義者の担った謀略に満ちたカラクリを描く迫力に満ちた筆致に、政治経済学の本領を見る思いがする」と絶賛しています。

 

No3     

記事種類 書評

タイトル  AERIAL BOOK 読まずにはいられない 民主主義の下で格差が広がる理由 ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』岩波書店

 

執筆者  森永卓郎

雑誌名  AERA

発行日  20111107

ページ  66

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]

大変恐ろしいのは、『AERA2011117日号で森永卓郎さんも指摘していますが、このような経済政策が民主的な選挙が機能している国でさえ起こるということです。「規制緩和」「民営化」「社会保障の削減」といった政策の必要性を極めて論理的に解説され、気が付くと弱者を切り捨てるような政策を受け入れてしまうことがあるようです。

 

No4     

記事種類 書評

タイトル  Bookwormの読書万巻 ベストセラー街道をゆく! ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』岩波書店 コロナ拡大という国難に視界を曇らせない

 

執筆者  倉本さおり

雑誌名  週刊新潮

発行日  20200326

ページ  128

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]

 『週刊新潮』2020326日号では『ショック・ドクトリン』が5年ぶりに重版されたことが記載されています。きっかけは新型コロナウイルスです。『ショック・ドクトリン』には日本の事例は取り上げられていませんでしたが、災害大国であり、パンデミックがあり、隣国に軍国主義の国家がある日本でもショック状態はいつ起きても不思議ではありません。担当編集者は「本書は冷静に物事を分析するための武器になり得ると思う」と語っています。

 

かつて大宅壮一は「一億総白痴化」と言ってテレビを批判しましたが、本書は人々が冷静でなくなるのはいつか、冷静でない時にどのようなことを注意すべきかを指摘しています。ショック状態の中で正しい政策がとられているか読者自身が判断できる一冊です。

 

 『ショック・ドクトリン』の書評、その他です。

No5     

記事種類 書評

タイトル  書闘倶楽部 この本はこう読め ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』岩波書店 惨事便乗という弱肉強食の資本主義

 

執筆者 

雑誌名  SAPIO

発行日  20111228

ページ  77

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]

 

No6     

記事種類 書評

タイトル  クーリエ・ビス Books ヨコモジ書評 ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』岩波書店 左派ジャーナリストが自由主義経済の横暴を断罪する

 

執筆者 

雑誌名  クーリエ・ジャポン

発行日  201112

ページ  94

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]

 

No7     

記事種類 書評

タイトル  Books&Trends Review ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』岩波書店 ネオリベラリズムがもたらした荒涼たる世界

 

執筆者  中岡望

雑誌名  週刊東洋経済

発行日  20111112

ページ  114

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]

 

 

ナオミ・クラインさんに関連する雑誌記事索引、その他です。

No8     

記事種類 書評

タイトル  話題の本 ナオミ・クライン『地球が燃えている 気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』大月書店 困難だが、まだ間に合う 温暖化阻止への熱い檄

 

執筆者  橋本努

雑誌名  週刊東洋経済

発行日  20210320

ページ  100

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]

 

No9     

記事種類 書評

タイトル  きんようぶんか 本 ナオミ・クライン『地球が燃えている 気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』大月書店 地球の危機への提言 鍵は「正義」の感覚

 

執筆者  高原到

雑誌名  週刊金曜日

発行日  20210108

ページ  55

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]

 

No10

記事種類 対談

タイトル  違う世界に通じる入口へ 誰ひとり取り残さない 聞き手:アサド・レーマン、不可視化される人びと,資本主義の脆弱性,ファシズムの国際主義,共同のビジョンを紡ぐ,他

 

執筆者  ナオミ・クライン/アルンダティ・ロイ/アサド・レーマン

雑誌名  世界

発行日  202009

ページ  29-40

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]アルンダティ・ロイ[作家]

 

No11

記事種類 書評

タイトル  きんようぶんか 本 ナオミ・クライン『NOでは足りない トランプ・ショックに対処する方法』岩波書店 ケーキを食べて攻撃を命じる 異形の大統領に対峙する力作

 

執筆者  戸田清

雑誌名  週刊金曜日

発行日  20181019

ページ  50

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]

 

No12

記事種類

タイトル  気候変動人類最大の脅威にどう立ち向かうか 今そこにある明白な危機 気候変動の脅威から目をそむけてはならない

 

執筆者  ナオミ・クライン

雑誌名  世界

発行日  201512

ページ  64-73

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]異常気象,気象異変,地球温暖化,気候変動

 

No13

記事種類 インタビュー

タイトル  いのちか、金か 気候変動市民運動の展望 ナオミ・クラインに聞く 化石燃料企業からの資本引き揚げ運動、赤木昭夫による解説あり

 

執筆者  ナオミ・クライン/メイ・ボーヴ

雑誌名  世界

発行日  201505

ページ  118-128

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]公害,アメリカ・世相,環境問題

 

No14   

記事種類

タイトル  世界恐慌は回避できるか? ウォール街を占拠せよ 世界で今いちばん重要なこと

 

執筆者  ナオミ・クライン

雑誌名  世界

発行日  201112

ページ  124-128

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]社会問題,アメリカ・社会問題,ウォール街デモ,オキュパイ・デモ

 

No15   

記事種類 インタビュー

タイトル  神と運命に見捨てられた国 Q&A 作家ナオミ・クラインが語る国民不在のハイチ支援の危うさ 「災害資本主義の搾取を許すな」

 

執筆者  ナオミ・クライン

雑誌名  ニューズウィーク日本版

発行日  20100203

ページ  39

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]ハイチ,西インド諸島,災害,地震

 

No16   

記事種類

タイトル  ナオミ・クライン講演録 もうひとつの可能な世界 弾圧から蘇る希望 訳者・安濃一樹による解説あり

 

執筆者  ナオミ・クライン

雑誌名  世界

発行日  200712

ページ  129-140

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]

 

No17   

記事種類

タイトル  台頭する災害資本主義 「(津波は)我々に大きな利益をもたらしてくれた素晴らしい機会」(コンドリーザ・ライス) 「復興」という名の「洗練された植民地主義」

 

執筆者  ナオミ・クイン

雑誌名  世界

発行日  200508

ページ  85-90

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]第三世界,発展途上国,スマトラ沖地震,インド洋大津波,植民地主義

 

No18   

記事種類

タイトル  バグダッド零年 ネオコンのユートピア幻想に奪われたイラク イラク武装抵抗勢力の増大を招いた最大の原因は何か?女性ジャーナリストが斬るイラク戦争最前線!

 

執筆者  ナオミ・クライン

雑誌名  世界

発行日  200501

ページ  230-244

備 考  ナオミ・クライン[ジャーナリスト]対中東外交,イラク,アメリカ・外交,対イラク外交

 


 

このページの先頭へ▲

公益財団法人 大宅壮一文庫

〒156-0056 東京都世田谷区八幡山3丁目10番20号
TEL:03-3303-2000