大宅壮一全集 第3巻 ジャーナリズム講話

書誌情報

昭和55年  11月22日発行(1980)
著作者 大宅壮一
発行者 近藤恆夫
印刷者 澤村嘉一
印刷所 凸版印刷
発行所 蒼洋社
発売所 英潮社
13.8cm×19.6cm(ハードカバー 函入〈14.4cm×20.6cm〉)、本文417頁

 
目次

写真:得意の弁説をふるう(日本フェビアン協会・昭和2年頃)
写真:雑誌「人物評論」を発行していた頃(日本橋茅場町で昭和7年)
写真:「新潮」の取材で水谷八重子とのインタビュー(昭和6年)

写真:雑誌「サラリーマン」の会合(昭和7年頃)(左より)戸坂潤・秋田雨雀・大宅壮一・長谷川国雄・青野季吉・鈴木茂三郎

写真:郁(いく)達夫歓迎会(東京山水楼・昭和6年)(前列左から)村松梢風・林芙美子・郁達夫・郭沫若・嶋中雄作(後列左から)藤枝丈夫・横光利一・大宅壮一

写真:長男歩を抱く若き日の夫婦(吉祥寺の自宅で昭和7年夏)
写真:「ジャーナリズム講話」初版本 昭和10年(白揚社版)


ジャーナリズム講話

 
 第一編 情勢
  現代ジャーナリズム鳥瞰図
    最近ジャーナリスムの動向   
    新聞ジャーナリズム
    雑誌ジャーナリズム
    出版ジャーナリズム

  日本ジャーナリズムの産業革命と合理化
    金銭主義の時代
    日本文壇の産業革命
    文壇合理化の産物
    「新社会派」の生産性
    経済的に見た日本の文学

  ジャーナリズムと匿名評論
    論壇潜水艇時代来る!
    匿名批評家の正体
    匿名気質の分析
    匿名の鑑別法

  ジャーナリズムと「非常時」
    実用性と局部性
    左翼は「歴史」に
    文壇の非「非常時」性
    特殊性の強調

  ジャーナリズムと新人
    人間の封切り
    デビューと封切り

  ジャーナリズムとポーズ
    人間性の四捨五入
    蜂須賀小六の論理
    ジャーナリズム美容術
    文学的変死者

  ジャーナリズムと女流作家
    レビュー・ガールと女流作家
    奥さまと姐御
    装飾的作家
    プロレタリア派
    真に新しい女流作家

 第二編 技術
  編集の技術
    概説
    編集の対象
    編集プラン
    問題と筆者
    指定・校正・割り付け
    編集とモンタージュ

  人物論の構成
    人物論時代
    非常時と人物論
    人物論と人間論
    個人論と集団論
    脚で書く人物論
    対象との関係
    批評者の態度

  現代悪文批判
    悪文の定義
    悪文の種類
    社会科学者の悪文
    哲学者の悪文
    プロレタリア派の悪文
    小説家の悪文
    内容的悪文

 第三編 文学
  ブルジョアジーと文芸
    序説
    ブルジョア文学の発生
    ブルジョア芸術としての小説

  文学の職業性と超職業性
    職業としての文学
    純文芸の超職業性
    作家生活の矛盾

  「純文学」と「大衆文芸」の境界
    人間本位の境界線
    製作動機に基づく分類
    果たしていずれが高級か
    漸次歩み寄りの傾向

  行動主義と能動的精神
    指導精神の探究
    知識階級の「復活」
    消極的な積極性
    無力な審判官

  文士行状論
    浪費の生産性
    花柳界とカフェー
    文士ととばく

 付録 暴露
  ニセ・マルクス四兄弟
    プロレタリア大陸への密航者
    社会主義ギルドとニセ・マルクス商会
    デマゴーグ・ルンペンの一群
    ニセ・マルクス兄弟商会の繁栄
    マルクス五十周年と本願寺
    市場獲得のための「共同戦線党」
    長兄大森義太郎の辣腕
    ボロを出した清盛弁証法
    君子危うきに近づかぬ向坂逸郎
    これでもりっぱなマルクス主義者!
    「学徒」佐々弘雄の珍哲学
    学者くずれのルンペン石浜知行
    マルクス、「マルクス主義者」にあらず

 

  社会ファシズムの大本山と化した大原社会問題研究所 高野岩三郎・森戸辰男・櫛田民蔵ら大原宗門一族の仮面をはぐ

    ゆらぐ殿堂、大原社会問題研究所
    資本家のパトロン気質
    腰ぎんちゃく「監事」柿原某
    にらみと腕の所長高野博士
    「無産階級教育」屋・森戸辰男
    「婦人と娯楽」研究のトリオ
    書斎派マルキスト・グループの解体
    死蔵書の墓守り・内藤赳夫
    大原行進曲「殿堂は揺らぐ」

  日本を知らぬ日本主義者 「非常時日本」の道化思想家権藤成郷の仮面をはぐ
    霊験あらたかな「家伝秘薬」
    銃声とともに現れ出た道化役者
    郷土を知らぬ「成郷学説」
    国史を知らぬ国史学者
    制度学者制度を知らず
    倉は満ちて農民飢ゆ
    有田ドラッグ式の誇大形容詞
    民族問題では伝説そのまま
    「地方自治」実は土豪専制
    こっけいな時代錯誤の標本

  遊蕩人格四兄弟 阿部次郎、安部能成、小宮豊隆、和辻哲郎の仮面をはぐ
    よだれで書くへへののもへじ哲学
    白い波頭に浮かび上がった官製「人格主義」者
    エセ・人格主義学商の系図
    「光栄ある」人格主義のスタート
    長兄阿部次郎の自己紹介
    セカンド安部の風貌「人格」
    和辻のスタートは七里ケ浜
    人格主義者理論闘争の二十五年
    三太郎・遊蕩・日記
    官製「人格主義」原理の樹立
    反動「文化の中心としての教養」論

  藤村・有三・義三郎らの仮面をはぐ
    文壇「ルーブル詐欺」
    一連の「模造聖人」たち
    この「努力」「精進」「厳格」!
    素人に「転向」した藤村
    徹頭徹尾節子さんに冷酷
    「苦心」をしゃぶらせる有三
    泣かされるだけありがたがる編集者
    未亡人の寵に浴して「自重」
    船の客ひくラシャメン義三郎
    ガンの手術は真綿でできぬ

「一億総白痴化」命名始末記
  刺激の「唯量主義」
  レッテルは自分で歩く
  大衆はマス・コミに復讐する

チャンネル文化

マス・コミとテレビと政治家

テレビ王を狙う男たち
  午後のマス・コミから午前のマス・コミへ
  TV植民地競争
  テレビの独走男・正力松太郎
  カラー・テレビの猛襲
  毅然たる幕府・ラジオ東京
  雑居家族の日本教育テレビ
  三人の船長と一人の運転士
   資本家陣営期待のエース・水野成夫
  用心深い織田信長
  大阪の陣に激突する朝日・毎日
  電波の離婚・乱婚時代

「一億総評論家」時代
  養われてきた批判精神

転換期に立つ民間放送

アナウンサー論
  一
  二

〈解説〉マスコミの歴史の偉大なる語り手(草柳大蔵)


月報1
  戦前戦後(井伏鱒二)
  「一億総白痴化」(桶谷繁雄)
  スランプ脱出法(サトウ サンペイ)



全集 第2巻 モダン層とモダン相

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