書誌情報
昭和39年 4月25日発行(1964) |
著作者 |
大宅壮一 |
発行者 |
上林吾郎
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印刷所 |
凸版印刷
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発行所 |
文藝春秋新社
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14cm×20.4cm(函入 ハードカバー)、本文271頁 |
目次
清国の実情と危機感 「開国のための攘夷」という奇妙な結論を出した高杉晋作
五百両を使い果たす
うまい汁は外人に
渦巻く上海租界
乱政を臭気で知る
アヘンで乱れた清国
高杉の見た“太平天国の乱”
清国の衰弱ここにいたる
よかった対日感情
西洋文化になじめず
蒸汽船まで買込む
威力発揮した大砲
主体性なき中国の悲劇
鋭い高杉の報告書
急進攘夷派の実行力 理由なき殺人におびえる在留外人と薩長藩士のテロ意識
一番打者の憤死
長藩壮士に焦燥ムード
金策の名人井上馨
高杉の機転で命びろい
巧みな伊藤と井上の動き
殺される理由がわからぬ
芽ばえる資本主義
波瀾にとんだ“若き博文”
維新の序曲「天誅」 威嚇的効果を狙った暗殺が最後にはリンチとなった理由
井伊大老暗殺の地方版
島田左近に“天誅”くだす
志士に“殺し屋”傾向
京都の治安は野放し状態
テロ行為あとをたたず
木像に及んだ“天誅”
幕末のナゾ姉小路の暗殺
朝廷をめぐる薩長の争い
とばっちりをうけた国学者
宙に浮いた大義名分 生きるために手段をえらばなくなった志士のなかの夾雑物
奇怪な浪人部隊の編成
不満派が新選組を結成
横浜放火と黒船襲撃案
幕府も倒幕派も大混乱
ズレてきた大義名分
猛威ふるう新選組
“押し借り”で資金集め
ニヒリズムの代表芹沢鴨
幕府にかかえられた象山
真昼間の暗殺
尊皇攘夷のお手本
一橋慶喜と渋沢栄一 精神的な動揺期のなかから生まれた相反するふたりの人物
維新史上の最大奇跡
天誅のウラに出世欲
暴走した青年渋沢
一転して幕府のスパイ
すでに財界指導者の芽
欧米文化との初接触 漂流という異常な体験から判断される民族の素質テスト
ズバぬけた“両沢”
ロシアの極東侵略
漂流民の予想外の能力
捕鯨がうながした開国
万次郎から新知識吸収
自由民権の種まく
通訳の重要性を認めず
恵まれなかった万次郎
ルーズベルトとの奇縁
しらぬ国にも名をや残さん
“士官は無知、水夫は無能”
大気炎の福翁自伝
咸臨丸に絶大の信頼感
遣米使の見たハワイ 太平洋同盟の話もあった日本とハワイの意外に深い関係
文明に敗れた島
王妃は“大はだぬぎ”
位でいえば漁師の親方
日本皇族を婿に欲しい
太平洋同盟の夢消える
明治四年に通商条約
女王が「アロハオエ」を作曲
トーゴーは超人の代名詞
ハワイ島を占拠すべし
乱れ切った風紀
ハワイに残る忠誠心 戦前の日本が大切に保存されているハワイ島の現状分析
自衛隊員こそ日本人だ
消えない忠誠心
忠誠も環境次第
戦争でかえって生活向上
二世はアメリカ人だった
ハワイにも勝ち組
勝ち組の背後にユダヤ人
めざましい日系人の進出
遣米使の意義と価値 アメリカとの大きな文化的落差を埋めた使節団の諸記録
出色の『遣米使日記』
熱心なあまり無作法も
ポーハタン号シスコへ
ブルックの深い親愛感
妻はあるじの如し
浮世絵で訴えられる
アバタで警戒される
大きかった洋行の収穫
咸臨丸ぶじ帰国
開拓精神の過小評価 劣等感・優越感・抵抗感のカクテルでのぞいたアメリカ
汽車に驚異の目
甘くみたアメリカ魂
女性の同席におどろく
親書は和文を使う
使節は泰然自若
日本品は奪い合い
議会は魚市ソックリ
ミイラ見て“夷狄論”
こは合衆国の証なり
日本開国二人の主役 日本を動かしたペリーの軍艦大砲・ハリスの勇気と誠意
招待外交に弱い日本人
唐人お吉はヌレギヌ
幕府を動かした誠意
富士山を勲章代わりに
誇りと満足の生涯
井伊大老暗殺を知る
色白きメリケン女よし
使節団と米国の反省 観察者と同時に“彼観察者”であった一行が与えた印象
公衆の面前でキッス
気球に鋭い観察眼
小栗上野の見識
あわや切り捨て
全市あげて大歓迎
舞踏会に一万人
申し分のない礼節
あとがき