「炎は流れる 明治と昭和の谷間」④

書誌情報

昭和39年  11月25日発行(1964)
著作者 大宅壮一
発行者 上林吾郎
印刷所 凸版印刷
発行所 文藝春秋新社
14cm×20.4cm(函入 ハードカバー)、本文254頁

 
目次

民族意識のめばえ イギリス留学で飛躍的な成長をみせた伊藤博文・井上馨
 天皇機関説を支持した博文
 井上・伊藤の密航留学
 必死の密航準備
 攘夷論ふっとぶ
 ロンドンの繁栄に驚く
 民族意識への脱皮
 命がけの説得へ

馬関戦争と高杉晋作 講和談判に奇才ぶりを発揮した晋作の背景にあったもの
 進歩的だった長州藩
 不発砲弾を見世物に
 文明を邪法と笑う
 血統より大切な“家禄”
 忠勇義烈の士・来島又兵衛
 講和全権に高杉起用
 武者人形なみの使節団
 “夷狄”変じて“親友”となる
 絵図係りが決裂救う

謝罪恭順から革命へ 長州藩で回天の大バクチに成功した晋作の独創性と勇気
 下関でも密貿易はじまる
 村田清風の“赤字征伐”
 孤軍奮闘の井上聞多
 井上を救った鏡
 藩をあげて“謝罪恭順”へ
 望東尼、高杉をはげます
 逃避行で悟った薩長連合
 “回天”の大バクチをうつ
 遺書に蕩児の面目

志士のパトロンたち 強引だった“憂国の志士”たちの旅費・機密費等の調達
 大きいクーデターの意義
 志士の背後に豪商あり
 根強く残る“階級意識”
 活躍した“死の商人”
 下関開港に失敗
 潜行は女づれに限る 
 遊女が重要な役割
 金昆羅船へ逃げこむ

勤皇博徒・日柳燕石 勤皇・詩人・博徒という三つの要素が化合した稀有の例
 新体制を支持する
 任侠からナショナリズムへ
 金と度胸で勝負する
 勤皇家・詩人・博徒の燕石
 『日本外史』に見る反幕府的思想
 任侠道の“三人元祖”
 痛快な“侠客学校”の構想
 気概の男新門辰五郎
 海舟の江戸焦土作戦

攘夷派の心理的条件 単純な攘夷から積極的国防思想に至るまでの一つの公式
 要領居士? 節斎
 わが志は遊侠にあり……
 攘夷派に共通の公式
 ローマ字の大流行
 手きびしい漢字排斥論
 東は攘夷、西は尊皇
 天下三奇人の一人
 妻も妾も不美人ばかり
 獄中でも討幕の歌
 詩は倒幕のための爆弾だ
 ショウユ屋の地下がアジト
 柱も危機の連続
 性格的にあわない桂と高杉
 四年ぶりのシャバの嵐
 西園寺すでに頭角をあらわす
 河井の善戦に大あわて
 波瀾の生涯を閉じる

幕末の異端児・忠光 歴史の転換期に人間形成がなされた貴族の悲劇的な宿命
 燕石以上に特異な人物
 常軌を逸した行動
 他殺か? 不覚の災難か?
 有力なカギ「白石日記」
 計画的な証拠インメツ
 病死でかたづけられる
 すべてはウヤムヤに……
 神さま創造のモデル・ケース

百年前の逆帝国主義 “大東亜共栄圏”の構想がうかがわれる真木和泉の考え方
 純然たる商業都市
 薩長に“秘密の窓口”
 英国が頼みの綱
 長藩・英国の“蜜月時代”
 七卿は長藩のマスコット
 保守派のリーダー中川宮
 明治天皇の恐怖時代
 楠公の再来・真木父子

薩・長連合の立役者 維新回天の大事業をまとめあげた坂本竜馬の奇略と功績
 五卿を長藩からとりあげる
 高杉・西郷の劇的会見?
 西郷とフルシチョフの相似点
 聡明すぎた? 勝海舟
 坂本竜馬の仲介
 幕府をナメた広島談判
 まるで三世紀も前の戦争
 猛者のそろった長州軍
 乃木大将の初陣
 宿命的軍人像の典型

典型的日本人の最後 東洋的な虚無思想につらぬかれた高杉晋作独特の死生観
 高杉ついに倒れる
 下関のもつ独特の魅力
 竹・梅を愛する詩人
 戦費を流用して放蕩
 病床に三人の女
 最大の女傑の一人
 愛国心の生きた象徴
 もっとも日本人的な日本人
 最大の死にみやげ
 娼妓にも日本魂あり!

あとがき

「炎は流れる」③

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