大宅壮一選集 ⑤紀行(日本篇)

書誌情報

昭和34年  6月20日発行(1959)
著作者 大宅壮一
発行者 古田晁
印刷者 草刈親雄
印刷所 中央精版
発行所 筑摩書房
13.8cm×19.4cm(ハードカバー)、本文292頁

 
目次

阿寒国立公園 日本ばなれした景観
  大樹海と倒木
  ビッキー美年子物語
  釧路港の漁獲合戦

網走周辺 秘境・知床半島
  人を食った船長
  長期入湯世界記録
  開発を妨げるもの
  美しい原生花園
  床屋さんの博物館長

北海道人の移民根性

酒田 東北の“堺市”
  西鶴の描いた酒田
  本間家の歴史
  大流行・スッポン・養殖
  即身仏の特産地

東京 畸形文化の中心地

東京の断面
  大内山
    美しい櫓・石垣・松
    三つに分れた大内山
    非人間的な生活
  アメリカ大使館
    激しい人の出入り
    大使館の日本人
    アメリカ官僚主義
  ソ連代表部
    大きな変化
    いかめしい門番氏
    春近い印象
  学習院
    学習院ジャングル
    当世学習院気質
    学習院よ何処へ行く
  江東楽天地
    興行植民地の開拓
    増資につぐ増資
    デパート招致運動
    コンサートに五万人
    欲望の大衆市場

東京の蕩児・八丈島
  日帰りできる“夢の島”
  千七百三十四人の流人
  「実記」に見る餓死の新記録
  流人島の“奇蹟”
  “女護ガ島”即ち「恐妻島」
  四斗二升の世界記録
  銀座の植物の病院
  タクシーで帰る中学生
  “お救い拝借金”

世界にない不思議な町・ヨコハマ
  白・黒・人肉 ア・ラ・カルト
  ハマの怪物ナンバー・ワン
  西コンツェルンの実態
  あわや戦後最大の惨事
  未亡人のスチュワーデス
  風太郎健在なり
  ヒバリ御殿の今昔譚
  オー・ミス・シップ
  オンナ少佐の深情

野田 醤油藩の城下町
  “戦災”無キズの町
  完全な醤油トラスト
  機械化された工場
  純日本的モデル都市

成田 陸上傷害保険会社
  “身代り札”のエピソード
  戦時も平時も繁盛
  お寺の収入抜くヨウカン
  護摩のいろいろ

法師温泉

長野県・あまりにドイツ的な
  日本一の文化、教育県
  高い教員の社会的地位
  新思想のショウ・ウィンドウ
  教員の大工場
  信州女の生活力
  信州的文化商人
  アンパイヤー的性格
  詩の国、歌の国
  日本屈指の美術国
  「やせガエル負けるな」
  鼻につく二重生活

金沢 斜陽化した“百万石”
  “この門売ります”
  金沢人気質あれこれ
  大へんな見送り風景
  “武蔵”と“大和”の海戦

内灘 その得たもの、失ったもの
  「唐人お吉」
  変った村の生活
  面くらった村人
  二つの診療所
  “赤い坊ちゃん”

佐久間ダム 人間と機械の交響楽
  工事場の昼と夜
  男一匹の評価額
  複数の未亡人
  限りない補償

富士五湖周辺

阪僑罷り通る
  女房は京都、小僧は江戸
  “大阪弁エリア”
  “帰化大阪人”小林一三
  財無くて大を成す
  典型的な“阪僑”たち
  大阪の最大の強味
  文壇の大坂人たち
  異色の学者とジャーナリスト
  わが世の春の芸能界
  「暖簾」と“七色のパンティ”
  阪僑代表チーム

京都左翼の系譜
  毎日がメーデーの連続
  欧化の最先端を行く
  “攘東京”と“本山”主義
  西園寺と立命館
  反東大・反政府・反米
  三K時代から西田哲学へ
  社会党の三人男
  同志社のガンジー
  日本共和国の大統領
  二十五年前の進歩人
  鴨川の水は流れても

宇治山田 女神の都
  大神宮は米英の神さま
  “ツマ入り”家屋物語
  チップ代りにタクアン
  伊勢乞食は“エン罪”?

長州の神々
  敗戦の先達
  松陰も人気なし
  落ちぶれた閣下
  久原と田中の結びつき
  躍る神さま
  悪口でも宣伝になる
  ノン・プロ宗教

高知県・酒と女と革命と
  酒飲まざれば人にあらず
  派手に買って激しく討つ
  海洋型と山岳型
  土佐のムッソリーニ・野中兼山
  オポチュニスト・板垣退助
  “もじから”と“いごっそう”
  大三菱の発祥地
  「マムシの周六」黒岩涙香
  アジア国大統領・幸徳秋水
  土佐叛骨の産物
  八ミリ化した現存人物

小豆島 日本の縮図
  ヒトミ・ブーム
  御遍路とマンボ
  オリーヴずくめ

九州イデオロギーの群像
  ウエットな九州人
  叛骨のリーダー
  天と雲とのゆくえ
  遠賀川の血煙り
  「親分」という無形の財産
  大親分の後継者
  「九州独立」の運動
  日本一の炭都
  ゴム風船で出迎え
  近代化へのブレーキ

佐世保 宿命の“軍都”
  桃色特需の街
  ビール売上げ日本一
  “佐世保菌”日米論争
  “商人服”ビッグ・フォア

鹿児島 封建主義最後のトリデ
  セイゴどんの生霊
  敗戦の経験二度
  酒浸しの“おすし”
  桜島新風物詩

奄美大島 敗戦日本の再現
  さながら終戦直後
    “延期”された敗戦
    米は自由販売
    復帰ブーム
    知事の“行幸
  文化果つるところ
    イモ、ソテツが主食
    教育への“出血投資”
    アメリカから“いとま”
    軍政の貸借表
    復帰運動の裏には
  日本の中の“日本”
    痛めつけられた島
    食わしてくれる人がヌシ(沖縄の諺)
    お役人の大氾濫

大阪文化の日本征服
  一
  二
  三
  四

水底の小河内村
  一
  二
  三
  四

あとがき

選集 ④政治・経済

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