創刊号コレクション

創刊号コレクション CD-ROM

 大宅壮一生誕百年を記念して刊行した「創刊号コレクション」は、表紙から裏表紙まで雑誌原本をめくるように、広告を含むすべてのページが閲覧できます。表紙や多色刷りの口絵などはカラー表示が可能です。また、主要記事については、記事タイトルや執筆者名でも検索できます。各雑誌の発行人や刊行頻度、解説を付した「書誌情報」から、その雑誌の特徴を知ることもできます。
 雑誌文化の歴史と変遷、その時代の多様な「世論」を、実際の記事を通して調査・研究する、近代日本社会文化史の参考資料としてぜひご活用ください。

 末筆となりましたが、「創刊号コレクション」刊行にあたり、各誌の出版社、執筆者、著作権継承者のご協力をいただき、厚く御礼申し上げます。

大宅壮一文庫創刊号コレクション

明治編

 「明治編」は、雑誌ジャーナリズムの黎明期において、“日本の近代化"の中での創刊雑誌の変遷をたどることができます。
 明治初期は、福沢諭吉など“知識人"による啓蒙活動を目的として創刊された雑誌が多く、「いかなる理由でこの雑誌が誕生したか」を述べている各誌の「創刊の辞」からは熱烈な意気込みが伝わってきます。
 中期以降は『博文館』に代表される商業ジャーナリズムの台頭により庶民の娯楽や社会問題、婦人問題を報道する雑誌が主流となります。特に日清・日露戦争は、日本のジャーナリズムの発展と躍進と切り離すことのできない出来事でした。

※明治編に収録した個々の雑誌の特徴は、 「明治編」収録雑誌一覧をご参照ください。

大正編(一)

 「大正編(一)」(大正元年~大正9年)は、“大正デモクラシー"と第一次世界大戦がキーワードとなります。
 大正という時代は、堅苦しい明治の裃(かみしも)を脱いで、“自由"という言葉が市民権を得ていきます。そして、伸び伸びとした気風と華やかさが雑誌の創刊に拍車を掛けます。探偵小説を主体に洒落た編集を行い、青年層の人気雑誌になった『新青年』(大正9年)は、“大正モダニズム"を体現した雑誌といえるでしょう。また一方では、都市労働者の増加やロシア革命の影響を受けて、社会主義やマルクス主義などラジカルな思想を紹介する雑誌の創刊も目立ちます。婦人雑誌も、「女性の自覚と解放」をテーマに女性の権利拡張を目指して創刊した『婦人公論』(大正5年)や、庶民的な主婦を対象にして、実用的な家庭生活情報を中心に編集された『主婦之友』(大正6年)など、現在も刊行されている雑誌が誕生します。

※大正編(一)に収録した個々の雑誌の特徴は、「大正編(一)」収録雑誌一覧をご参照ください。

大正編(二)

 「大正編(二)」(大正10年~大正13年)での最大の事件は、大正12年9月1日に発生した関東大震災でした。地震とその後の大火災で古き良き東京の街並は失われ、在日朝鮮人の大量虐殺や、憲兵隊による社会主義者の惨殺事件が起こり、大正デモクラシーの時代は終焉を迎えます。出版界も影響を受け、休刊や廃刊が相次ぎました。『アサヒグラフ』と『文芸春秋』はこの年の創刊でしたが、日刊誌だった『アサヒグラフ』は11月に週刊誌として再出発、『文芸春秋』は10月号、12月号を休刊しています。
 一方、前年の大正11年に創刊していた総合週刊誌の草分け『週刊朝日』(創刊時は『旬刊朝日』)、『サンデー毎日』の2誌は、大阪での発行だった事もあり休刊もなく、震災の惨状を報じています。震災後には被災して地方に流出した人材が、各地で創刊した雑誌も見られます。

※大正編(二)に収録した個々の雑誌の特徴は、「大正編(二)」収録雑誌一覧をご参照ください。

大正編(三)

 「大正編(三)」(大正14年~15年)では大正時代も終焉に向かいます。軍部の台頭、社会主義者・共産主義者の弾圧といった世相を背景に、蓑田胸喜による『原理日本』(大正14年)など国家主義色の強い雑誌の創刊が見られます。その反対にマルクス主義者・福本和夫による『マルキシズムの旗の下に』(大正15年)など社会主義色の強い雑誌も弾圧をかいくぐり創刊されています。また、梅原北明による『変態・資料』(大正15年)など昭和初期のエロ・グロ・ナンセンス世相を先取りした雑誌も見られ、大正から昭和への時代の移り変わりが感じられます。

※大正編(三)に収録した個々の雑誌の特徴は、「大正編(三)」収録雑誌一覧をご参照ください。

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「創刊号コレクション」の詳細

1.収録内容

  (1)「明治編」
     収録雑誌:149誌 →  「明治編」収録雑誌一覧
     収録年代:文久2年(1862)~明治45年(1912)
     収録画像:モノクロ 8071画像
          カラー   266画像
     主要記事索引件数: 4086件
     販売価格:73,440円(税込)(CD-ROM2枚と収録誌についての解説・操作マニュアル付)
     ※品切となりました。

  (2)「大正編(一)」
     収録雑誌:129誌 → 「大正編(一)」収録雑誌一覧
     収録年代:大正1年(1912)~大正9年(1920)
     収録画像:モノクロ 9546画像
          カラー   226画像
     主要記事索引件数: 3412件
     販売価格:95,040円(税込)(CD-ROM2枚と収録誌についての解説・操作マニュアル付)

  (3)「大正編(二)」
     収録雑誌:160誌 → 「大正編(二)」収録雑誌一覧
     収録年代:大正10年(1921)~大正13年(1924)
     収録画像:モノクロ 9846画像
          カラー   251画像
     主要記事索引件数: 3381件
     販売価格:95,040円(税込)(CD-ROM2枚と収録誌についての解説・操作マニュアル付)

  (4)「大正編(三)」
     収録雑誌:168誌 「大正編(三)」収録雑誌一覧
     収録年代:大正14年(1925)~大正15年(1926)
     収録画像:モノクロ 9155画像
          カラー   259画像
     主要記事索引件数: 3767件
     販売価格:95,040円(税込)(CD-ROM2枚と収録誌についての解説・操作マニュアル付)

     製作:凸版印刷株式会社情報出版事業本部
     企画出版:株式会社紀伊國屋書店出版部
     編集・著作:財団法人大宅壮一文庫

     ※「創刊号コレクション」につきましてはすべて完売いたしました。

2.CD-ROMの機能

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