書誌情報
昭和34年 11月25日発行(1959) |
著作者 |
大宅壮一 |
発行者 |
古田晁
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印刷者 |
草刈親雄
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印刷所 |
中央精版
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発行所 |
筑摩書房
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13.8cm×19.4cm(ハードカバー)、本文268頁 |
目次
近衛文麿論
一
二
三
四
五
六
七
八
西園寺公一論
かれの人間や思想の多角性
代々正妻を娶らないという
封建的な権威に対する反逆
創美社という出版社を始む
適度に知的貴族趣味の性格
先祖の亡靈を売り物にする
吉田茂論
特別保護国民
人間吉田の正体は何か
軍人と外交官は鞘当する
性格はあるが思想はない
危なっかしさのない人物
久原房之助論
見せものむきの怪獣
倉庫係からスタート
世界一高いエントツ
買切り列車で大陸横断
踊らされた田中義一
「政党とは桶である」
便所に電話を取付ける
二度の破産も朝飯前
怪物遂に天下をとれず
藤山愛一郎論
九十六の肩書
社長ぐらし三十年
金と力のある色男
小林一三論
東宝争議と資本陣営の攻勢
青年のような情熱を示して
社長として完全なる独裁権
かれの六十三回目の誕生日
松竹に対する全面的な攻勢
政界に乗り出した小林一三
一大旋風をまき起さずには
永田雅一論
戦時中の鎖国の扉が開かれ
文化的知識はあまりないが
実力の点ではまさにピカ一
各社入り乱れて引抜き合戦
吹いて吹いて吹きまくって
人生の機微をよくも心得て
ステーションをステンショ
封建的な任侠精神こそ身上
菅原通済論
五十歳で赤いリボンに恋を
あらゆる道楽を大っぴらに
ゴム園の日雇人夫になって
この世界では類のないボス
今さら黒幕でもないという
自前で披露式を行った例は
自ら平山堂という骨董屋を
知っていて知らないふりを
山下太郎論
野心は投機の方向へ
“夜うち朝がけ”の戦法で
大山師になるかそれとも?
馬島僴論
政治性に富む実際家
嬉しくてかつがれた久原
平塚・鳩山ラインとの結び付き
日ソ交渉の脚色演出家
左翼冒険小説の前半生
新しい型の黒幕
武見太郎論
盲点をつく坊主と医者
左翼の政医・馬島
大物ぞろいの患者たち
現職大臣はお先に
魚が水を得た理研入り
世界的水準の診療室
近代的な魔法使い
矢次一夫論
スケールの雄大なる怪物
右翼の大本営北一輝にもぐり込む
協調会に入る
共同印刷のストライキ
争議調停の天才
統制派武藤章に接触
麻生久とガッチリ組む
軍務局を手玉にとる
徹底した近衛ぎらい
大臣罷免請負い業
新党樹立計画
矢次一夫の秘密
高田保論
一
二
三
菊池寛論
惜しみなく与える快感
鮮やかな女との別れ際
女性崇拝は劣等感から
新進作家で売り出しの頃
発菩提心から享楽主義へ
女護ガ島・文芸春秋社
暴かれたスキャンダル
女秘書と新潟芸者
愛情の半面打算忘れず
W型だが暴力には強い
夫人との間に不文律
男のチャンピオン
沢田美喜とサンダース・ホーム
現代の尼将軍
不渡手形・混血児
規格外れのお嬢さん
歩く銀行
百万円の美容法
ウッカリ夫人を地でゆく
愛玩癖か蒐集癖か
「やっさもっさ」のモデル
充実した育児施設
アメリカに尾をふらぬ犬
福島慶子とその宿六
亭主を一六〇円で売るとは!
宿六氏の卒論は“婦人参政権”
ロンドンの新婚生活
“食うために生きる”パリ生活
ルオーに打込む
バロン・フクシマ
金が裏づける美術評論
お光さまと熱海怪談
サラッとした夫婦仲
パリを押えた江戸っ子
石垣綾子夫婦論
アメリカ帰りの進歩的文化人
反米のジャンヌ・ダルク
恋愛至上主義に憑かれて
アメリカ版・若い燕
三角関係の惨劇
在米・アナーキスト群
“赤い十年”の婦人闘士
マス・コミの寵児へ
奇人怪物論
巨人・南方熊楠
だだッ子、大谷光瑞
王仁三郎と穏田の行者
社会主義と米国伯爵
ダダイストとプロ作家群
色豪文士たち
奇人怪物の定義
文化界の教祖たち
一
二
三
四
五
六
現代“順慶”列伝
“悪童阿部・大宅”が名づけ親
順慶の分類
移動順慶型
二股順慶型
混紡順慶型
一万田順慶法皇
近世日本自殺名士銘々伝
文士自殺の先駆けとなった透谷と眉山の死
人生不可解の謎を残した藤村操の投身
演出効果百パーセントの乃木大将のハラキリ
芸術に生き情熱に燃えた松井須磨子の縊死
永遠の世界へと憧れた野村隈畔の抱合心中
道徳的な化粧をした有島と波多野秋子の情死
想わせたっぷりな遺書を残した芥川竜之介の自殺
自殺者の聖地、坂田山と三原山
戦争に隠ペイされた混血の歌人関屋敏子の悶死
死をもって東条に抗議した中野正剛の割腹
逮捕状の前に崩れた公爵近衛文麿の自決
ヒロポンとアドルムに身をくちばむ戦後派文士
藤村・有三・義三郎等の仮面を剥ぐ
一 文壇「ルーブル詐欺」
二 一聯の“模造聖人”たち
三 この“努力”“精進”“厳格”!
四 素人に“転向”した藤村
五 徹頭徹尾節子さんに冷酷
六 “苦心”をしやぶらせる有三
七 泣かされるだけ有難がる編輯者
八 未亡人の寵に浴して“自重”
九 船の客ひくラシャメン義三郎
十 癌の手術は真綿で出来ぬ
新居格論
あとがき