大宅壮一全集 第22巻 世界の裏街道を行くⅤ

書誌情報

昭和56年  2月25日発行(1981)
著作者 大宅壮一
発行者 近藤恆夫
印刷者 澤村嘉一
印刷所 凸版印刷
発行所 蒼洋社
発売所 英潮社
13.9cm×19.6cm(ハードカバー 函入〈14.4cm×20.6cm〉)、本文466頁

 
目次

写真:街角にて(新宿・昭和34年ごろ)
写真:収容所にて記念撮影(チェコスロバキア・昭和36年)
写真:ブリュッセルの五重の塔(著者撮影・昭和36年)
写真:ショパンの生家で憩う著者(ポーランド・昭和36年)
写真:サンマリノ寺院の内部(昭和36年)
写真:西ベルリンへ脱出してきた青年たち(昭和36年)
写真:ルーマニアの市場風景(昭和36年)
写真:ゲーテの庭園荘を指さす著者(東ドイツ・昭和36年)
写真:著者の写したモナコの裏通り(昭和36年)
写真:「東欧の裏街道を行く」初版本 昭和37年(文藝春秋新社版)
写真:「小国の裏街道を行く」初版本 昭和37年(文藝春秋新社版)

 

世界の裏街道を行くⅤ 東欧・小国編

 東欧の裏街道を行く
  まえがき

  ガンコな民族主義・ポーランド
    びっくりする復興ぶり
    民族の老衰化現象
    宗教の利用価値
    月曜日は肉なしデー
    悲劇を背負う国民性
    “帝国主義”的土地分割
    ただよう自由な空気
    さかんな芸術活動
    明治調の日本語
    温かい対日感情
    中共との冷たい関係
    二十歳以上に処女なし?
    一流文化人が政治家に
    ショパンにも民族主義
    政府公認の「アメヤ横丁」
    エスペラントの創始者
    “国立美人局”があるのか
    企業化された大量殺人
    殺人工場アウシュビッツ
    人間の「獣性」まのあたり
    今も池に白骨沈む
    型のきまった国際見本市
    久しぶりに日の丸の旗
    演説ぎらいのポーランド人
    文部省にゲシュタポ博物館

  洋装をしたアジア・ハンガリア
    大流行した「愛国行進曲」
    “三枚おろし”の町ブダペスト
    ユダヤ人に対する反感
    日本公使館にかくしマイク
    産児調節に木のカタツムリ
    集団化に沈黙の抵抗
    外国行きはピンポンで
    人質にされる家族
    最大の遊楽地バラトン湖
    うちひしがれた知識人
    墓所のないスターリン市
    深夜のバーに民衆の声
    自慢の通信機工場
    根強いカトリック

  西と東の混血児・チェコスロバキア
    共産圏で最大の繁栄
    京都を思わす首都プラハ
    スターリン像のナゾナゾ
    かつてはドイツ植民地
    ここにもカミナリ族
    戦前から近代国家
    秘密主義と不気味さ
    機関銃でおなじみ
    “愛国的”な全学連代表
    ピルゼンのビールと兵器
    恐怖の暗殺現場
    地下室につみ上げた骸骨
    ソ連機にはのるな

  強大国の“お狩場”ルーマニア
    ヨーロッパの火薬庫
    豊富な石油資源
    筋金入りの女傑パウケル
    建築にみる“平和共存”
    興味ある住宅博物館
    みごとな民芸品
    ハナ薬のきく社会主義経済
    ブダペストのガールフレンド
    権力者のはかなさ
    幅をきかせる“赤い”トマト
    建築の見本市ペレス城
    若者の夢はオートバイ
    非スターリン化のさきがけ
    小規模ながら揃った軍隊
    “食いだおれ”横丁もある
    突然変異で天才的人物

  衛星国のモデルケース・ブルガリア
    祖先はアジア人
    森の首都ソフィア
    底に流れる東洋臭
    やせた土地貧しい農民
    滑走路もない飛行場
    アテネに似た市街
    東欧一の野菜国
    特権階級は芸能人とボーイ
    街頭職安“女中の市”
    ソ連の8ミリ版
    “人民”無視のお役所
    珍重される日本品

  共産主義の“実験室”ユーゴスラビア
    強力な指導者チトー
    軍備は八割がアメリカ製
    バルカンの交通の要所
    西欧色の強いザグレブ
    案外りっぱなチトーの生家
    みなぎるチトー色
    生活の重心は男女関係
    市電やめてトロリーバス
    第一次大戦の発火地点
    時計の針はメッカ時間
    人種、風俗のふきだまり
    チトーはゲリラの天才
    主婦に多い万引き
    ブランド輸入の失敗例
    ユーゴには美人少なし
    スターリンばりの“粛清”
    「社会主義」の変わり種
    観光政策に力コブ
    高額所得者は芸能人

  くすぶるナチズム・東ドイツ
    在外公館の東独敬遠主義
    三人三様のドイツ気質
    気味の悪い日本人
    東独警官につかまる
    国賓待遇にとまどう
    “死相”ただよう東ベルリン
    ソ連にはメカケの子
    無神経な赤軍兵士墓地
    森と湖の町ポツダム
    音楽の都ライプチヒ
    世界有数の出版の町
    ファウストが売りものの酒場
    ヨーロッパ文化の墓場
    信州に似たイエナ
    新種の少ない国際花市
    恐るべきサディズム
    残忍さと“科学性”
    運転手は監視役か
    一万の詩人と数人の住民
    ゲーテの恋人の家
    貴族的ゲーテ、庶民的シラー
    ワイマールの悲しみ
    ジュース代はお客もち
    “剥製の町”ドレスデン
    腕を組みたがるガイド
    灰色で生気のない服装
    五年でできた「鉱山市」
    むずかしい東西両独の比較
    花を愛する心は性に通ずる
    “転向”できないドイツ民族
    英仏は“統一”のぞまぬ

  バルカンの反逆者・アルバニア
    入国できぬ唯一の衛星国
    ソ連・ユーゴとの三角関係

 

 小国の裏街道を行く
  民主主義のヒナ型・サンマリノ
    日本の“大国ムード”
    観光と切手が財源
    爵位を売ります

  無抵抗の強さ・リヒテンシュタイン
    総人口は一万五千
    百年前軍備撤廃
    二時間で国内ひとまわり
    九百万円の国籍代

  賭博でまかなう国・モナコ
    緑の見えぬ“石漠”地帯
    人口密度は世界一
    バクチにもネクタイ着用
    負けた客に旅費進呈
    トバク狂は減った
    気楽な王さま稼業
    テラ銭でできた王宮
    女優は王冠に弱い
    トバク場の“のっとり魔”
    罰金でまるもうけ
    ヨットは富豪の“足”
    激突する四つの勢力
    狂乱のモンテカルロ
    レーニエ王の日収一億円
    マキで焼くうまい肉
    学問、芸術を尊ぶ

  欧州経済の中心・ルクセンブルク
    ホテルで大失敗
    性能のいいトランジスタ国家
    北方のジブラルタル
    静かな中世的ふんいき

  ヨーロッパの“成貧国”ベルギー
    中小企業に相当する
    恩給亡国のおそれ
    豪勢な五重の塔
    “正しい”外国語をつかう
    有名な小便小僧
    運命のウォーターロー

  “真夜中の太陽”の国・ノルウェー
    最大の名物フィヨルド
    人間の数だけ方言あり
    伝統的な助け合い精神
    酒と女の強い国
    とてつもない慰謝料
    イプセンとビョルンソン
    バイキングの船も陳列
    “国技”はスキー
    青味ただよう美しい氷河
    豪快な滝の連続
    走り行くトナカイ
    ハナイキの荒いノルウェー女
    海と山との不断の戦い
    オシでツンボの日本人

  “さいはて”の国・アイスランド
    夜だか昼だかわからない
    真夏でもセーター
    いたるところに温泉あり
    動物さえもいじける
    ガンの原因は煙にある?
    世界最古の議会制度
    理想的な“四発”型
    レスリングの気候的条件

  あとがき

〈解説〉あくなき興味と共感、そして大宅一流の料理法(上前淳一郎)

月報8
  いつもホンネを語った人(盛毓度)
  講演会で(三宅艶子)
  何とも恐い先生だった(会田雄次)
  「大宅語録」と私(伊佐千尋)

全集 第21巻 世界の裏街道を行くⅣ

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