大宅壮一全集 第13巻 昭和怪物伝

書誌情報

昭和56年  4月25日発行(1981)
著作者 大宅壮一
発行者 近藤恆夫
印刷者 北島義俊
印刷所 大日本印刷
発行所 蒼洋社
発売元 英潮社
13.9cm×19.6cm(ハードカバー 函入〈14.4cm×20.6cm〉)、本文376頁

 
目次

写真:孫たちと(昭和33年春)
写真:八幡山の自宅の書斎(昭和30年ごろ)
写真:水野成夫(前列左)を囲んで大宅家の人々(昭和35年ごろ)
写真:岡本太郎とテレビ対談(昭和30年ごろ)
写真:三鬼陽之助(左),細川隆元(右)と「地獄耳放談(『別冊・週刊サンケイ』,昭和34年ごろ)
写真:昭和40年ごろの著者
写真:「昭和怪物伝」初版本 昭和32年(角川書店版)

久原房之助
  見せものむきの怪獣
  倉庫係からスタート
  世界一高いエントツ
  買い切り列車で大陸横断
  踊らされた田中義一
  「政党とはオケである」
  便所に電話を取り付ける
  二度の破産も朝飯前
  怪物遂に天下をとれず

三木武吉
  天下の悪型
  逆手とりの名人
  亡霊ついに去る
  玄人好みの魅力

河野一郎
  “実力者”ナンバーワン
  ワシントンもうで
  海道一の大親分
  新聞記者時代
  鳩山家の台所をまかなう
  天を恐れない“河野流”
  守勢に立つ特攻隊長
  政界の石田三成

平塚常次郎
  日ソ交渉のスポンサー
  入ソ記録保持者
  堤清六との出会い
  河野一郎との関係
  光は北方より来るか?

馬島僴
  政治性に富む実際家
  うれしくてかつがれた久原
  平塚・鳩山ラインとの結び付き
  日ソ交渉の脚色演出家
  左翼冒険小説の前半生
  新しい型の黒幕

藤山愛一郎
  九十六の肩書
  社長ぐらし三十年
  金と力のある色男

佐藤和三郎
  『大番』主人公のモデル
  越後人の一典型
  操行はいつも丙
  相場師ブーチャン
  パルプ株で大当たり
  不死身の男
  目下苦闘中

水野成夫
  企業家にして文化人
  財界の処女地“放送”
  大泥棒かばくち打ちか
  インテリ革命ごっこ
  共産党への道
  獄中転向第一号
  古新聞と陸軍と
  広い交友半径
  学閥の最大限利用

阿部真之助
  善良な毒舌家
  日本一の恐妻家
  インテリ忠治

下中弥三郎
  アジア主義者でアナーキスト
  ステキズムのモデル
  ワクからハミ出た人物
  ベストセラー『や此は便利だ』
  “世界”か然らずんば“大”
  抜き難き政界への野心
  ゴビの沙漠に築く殿堂
  “偉大な日本”への郷愁

谷口雅春
  大組織の宗教百貨店
  大本教の聖フランシス
  「手紙布教」で出発
  発展する宗教株式会社
  大コンツェルンの全貌
  “一個の労働者”谷口

東郷青児
  怪物の二科再建法
  ワンマンここに誕生す
  ねらう最大の興行価値
  強じんな生活力
  在野の名誉と誇り
  宣伝は手段か目的か
  ものにしてから口説け

勅使河原蒼風
  “オブジェ”氾濫時代
  名前の美学
  最大限に利用するマス・コミ
  ファンの陥る錯覚
  希代の演出家
  家元はちょっとよござんす

岡本太郎
  アヴァンギャルドの旗手
  岡本半平
  おれはピカソを乗り超えている
  信者のいない文化教祖

森繁久弥
  素人くさい玄人
  育ちの良さ
  関西的な市民精神

石橋湛山
  本命を破る
  中学では二度も落第
  独学で経済学をマスター
  ドッジにまっこうから反対
  資本家陣営の連隊旗手

吉田茂
  特別保護国民
  人間吉田の正体は何か
  軍人と外交官はさやあてする
  性格はあるが思想はない
  危なっかしさのない人物

永田雅一
  戦時中の鎖国のとびらが開かれ
  文化的知識はあまりないが
  実力の点ではまさにピカ一
  各社入り乱れて引き抜き合戦
  吹いて吹いて吹きまくって
  人生の機微をよくも心得て
  ステーションをステンショ
  封建的な仁侠精神こそ身上

児玉誉士夫
  大人の世界の“月光仮面”か
  名前のもつニュアンス
  人生を決定づけた事件
  闘争の系譜
  “児玉機関”の誕生
  一種の“異常人”
  天皇退位論
  そろった七つ道具
  正味の“実力者”

矢次一夫
  スケールの雄大なる怪物
  右翼の大本営北一輝にもぐり込む
  協調会に入る
  共同印刷のストライキ
  争議調停の天才
  統制派武藤章に接触
  麻生久とガッチリ組む
  軍務局を手玉にとる
  徹底した近衛ぎらい
  大臣罷免請負業
  新党樹立計画
  矢次一夫の秘密

武見太郎
  盲点を突く坊主と医者
  左翼の政医・馬島
  大物ぞろいの患者たち
  現職大臣はお先に
  魚が水を得た理研入り
  世界的水準の診療室
  近代的な魔法使い

〈解説〉マスコミ・キングコング「自らを語る」(藤原弘達)

月報11
  おもいでから(佐多稲子)
  あたたかい先生(巌谷大四)
  柔軟な姿勢と強い正義観(竹田厳道)
  七十ドルと金髪むすめ(佐藤秀郎)

全集 第12巻 日本新おんな系図

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